第六話 モダンデザイン



      
モダンデザインの特徴は何と言っても、軽量化とスピードにあります。デイセーラーはクラシックやモダンにかかわらず、スリムです。違うのはモダンデザインには、前後のオーバーハングが無く、できるだけ長い水線長を取ります。そして、何と言っても排水量が軽いです。

よりスポーティーで、スピードを求める方には、こういうモダンデザインが良いかと思います。SADRで言うなら、30前後ぐらいです。ちなみに、バウはオーバーハングを無くして水線長を長くして、スターン側だけにオーバーハングを設けたモダン/クラシックとでも言いましょうか、クラシックとの中間的なヨットもあります。例えば、ワリーナノ、エッセンス、フライヤー等、何故か、全てヨーロッパ。アメリカにはこういうデザインはありません。モダンデザインも無い。アメリカ人はクラシックデザインが好きなんでしょうね。まあ、クラシックとは言っても、ヘビーな感じじゃなくて、アメリカントラディショナルという感じでしょうか。

それで、モダンデザインと言えばヨーロッパ.。オプティオ、ディナミカ、Bヨット、他にもいろいろあります。特にイタリアは兎に角速いのが好きなんでしょうね。しかも、造船業が盛んです。

モダンデザインを求める人達は、スピードを求め、時にレースも楽しむ。欧米ではワンデザインとしてのレースが盛んに行われています。ワンデザインなら、そんなにスピードを求めなくてもみんな同じ条件になるわけですが、でも、やっぱり速い方が良いという考え方かもしれません。そんなモダン系でも、多くの割合では、家族や友人、或いはシングルでのデイセーリングを楽しんでいる。それが、レーサーとは違う処です。

という事でスピードという観点だけで言うと、クラシック、モダン/クラシック、そしてモダンという具合です。
クラシック系はSADR25以下、モダン/クラシックで27とか28とか、モダン系は30前後からそれ以上。

写真はBLu 30 30フィートで1,500Kgしかありません。それでいて、セール面積は47u。エンジンはもちろん、エレクトリックモーター。その方が軽い。セーリング以外はできるだけシンプルに。いかにもスポーツ的という感じがします。



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