第四十五話 日本流


      

今のマリンライフ、充実してます?もっと進化させたいと思ってます? 海に囲まれた日本人は海洋民族、日本は海洋国家なんですが、現代のヨット/ボートを建造している欧米の文化とは異なる様に感じます。ご承知の通り、ヨットもボートもキャビン重視の傾向が強まっています。それは欧米文化としての在り方を具現化しているのは当然だと思います。

極端な言い方かもしれませんが、欧米民族は特別な何かをしなくても楽しめる民族ではなかろうか?仕事していなければ、それが遊びになる。キャビンで、コクピットで、一日中おしゃべりして過ごせる。週末はヨットやボートで、またそのマリーナには周辺にいろんな店があって、そこはリゾート地でもある。何もしない事を楽しめる。プールサイドでずっと本読んでるなんてその典型でしょう。これは長期休暇の余裕から来るものでは無く、民族性の違いではないだろうか?

そこから生み出されるヨットやボートが現代のそれです。だからキャビンが充実している。彼らには、あの広さや装備が重宝するんですね。ギャレーなんかもオーブンが役立つ。ところが、日本民族は違います。何もしないで、動かさないで、一日中キャビンに居るなんてできません。何かをして楽しみたいのが日本人だと思います。

そこでどうするか? 釣りをしたり、セーリングしたり、ボートやヨットを使って何らかの行為を充実させる事が必要なんだろうと思います。それが無かったらマリーナへ行く動機も薄れていきます。パーティーやピクニックは楽しいがエキサイティングでは無い。だから頻度は少なくなり、よって動かないのが多くなる。欧米でも同じ様に動かないのが多い。しかし、人は何故かいつ行ってもいっぱい居ます。そこが違う。

だから欧米文化のヨットを日本人が心から楽しむには日本流にアレンジして、日本流に楽しむ事が必要です。我々はこれまでにもたくさんの欧米文化をアレンジしてきた。ヨットも日本流にアレンジする。そのひとつの方法がデイセーリングを堪能する事です。学ぶ事が好きで、勤勉で、そういう日本人の特性を満たすのにはセーリングがもってこい。しかも、繊細な感性を持つ日本人ですから。

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