第四十二話 期待値と寿命


      

ヨットは一体何年ぐらい使えるのだろうか?30年を超える古いヨットが出てきていますが、それだってメインテナンスさえちゃんとしていればまだまだ使える。それどころか、全く船齢を感じさせないくらいにメインテナンスされたヨットもある。一体、ヨットの寿命ってどのくらいなんだろう?

実際、寿命は解らないというのが本当の処ではなかろうか?欧米ではもっと古いヨットを美しくレストアして乗り続けている。船がどうこうと言うより、そのヨットに期待する我々の期待値次第ではなかろうか?

より速いスピードを期待するのであれば新しいヨットの方が速い。だから古いレーサーはその期待値に届かないので寿命を迎える。しかし、船そのものには問題が無い。ワンデザインレーサーの台頭はこういう理由もある。クルージング艇なら必ずしも新しい方が良いとは限ら無いが、見た目のデザインから新しい方が良く見えたりもする。だから期待値に届かなくなって、寿命を迎える。しかし、古くても、実にきれいなヨットもあるんです。クルージングとしてなら申し分無いというのもある。

結局、期待値に届くか届かないか、それが寿命を決めるというのが実情ではないかと思います。ヨットにとっては30年と言っても、たかが30年、これからどこまで行けるのやら。

因みに、上記の写真は1964年製、船齢53年の32フィート、2007年にレストアされている。その気になるなら、どうにでもできるんですね。日本でもこれからはレストアを考える時期なのかもしれません。

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