第百話 日本はおもてなしの国


      

東京オリンピックの誘致に、おもてなし という言葉が使われた。そう、日本はおもてなしの国。日本中の交通機関、レストラン、ホテル、居酒屋、どこに行ってもおもてなしを受ける。それに慣れた我々はちょっと何かあっただけで怒ってしまう。普段、おもてなしがそれだけ行き届いている証拠でもある。

さて、それで何が起こるか?我々は誰かがお膳立てをしてくれないと遊べなくなってきていないか?自分で計画し、準備をして、実行する。お膳立てが無いと全部自分でやる事になる。それも面白さと思えればいいが、面倒だと感じていないだろうか?

レースは実行委委員が居て、お膳立てしてくれる。それに乗っかってさえいれば良い。しかし、日本に最も多いクルージング艇に関して、誰かがお膳立てしてくれるわけじゃない。行った事が無い場所、遠ければ遠い程、準備も多くなる。

多くのヨットが動かなくなってきている要因に、こういう要素もあるのではなかろうか?おもてなしに慣れ過ぎてしまった。購入する迄は業者がいろいろやってくれる。しかし、その後は自分で運営していかなければならない。どこか遠くへの旅は言うのは簡単だが、実際に実行するとなると、簡単じゃない。でも、簡単じゃ無いからこそ、実行すると達成感もひとしおなんだが。

それを打ち破って行動できれば素晴らしい。しかし、もっと気軽に遊べる方法を考えても良いんじゃないか?計画なんて要らない、準備も要らない、すぐに出来る事。それがデイセーリングであります。じゃあ、この際、セーリングに自由自在になろうという事であります。ちょっと空いた時間セーリングを楽しみながら、自由自在に走れる知識と技術と感性を身に着けて行く。これらもすぐに習得できるわけじゃないが、でも、だからこそ自由自在を手に入れた感覚は最高なのです。それに、遊びながら習得できる。おもてなしされる事から脱して、自主的に行動しないと、ヨットは遊べません。パワーボートしかり。


家族や友人達を誘って楽しむピクニックも良し、しかし、セーリングに集中して走るあの感じも良し。自由自在感を感覚的に楽しめる。これは動かない豪華なでかいヨットよりクールじゃないか?

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