第六十七話 簡単極まりない



      
セルフタッキングジブ、ファーリングメイン、電動ウィンチ、バウ&スターンスラスター、オートパイロット、これだけあったらセーリングはとっても楽々です。 だから、ゲストを招いて海を楽しむには最適かもしれません。おまけにカタマランなら、ヒールもしない。 これがひとつの流れかもしれません。

一方、そんな物には目もくれず、ひたすらセーリングの腕を競うレースもあります。より軽い船体、ハイテクセール、微妙な調整を繰り返し、戦術を考え、少しでも前へ行く。

その両極の間を、リラックスして楽しむセーリング。体はリラックス、でも、気持ちとしては少し緊張感をもって、自分なりのセーリングを味わう。 レースとは違って、感じる事を重視したセーリングです。それでも速い方が面白い。でも、絶対スピード値より、変化を生じるスピード感。 

用途によって乗り方が違い、それに応じてヨットも違う。 さらに厳密に言えば、遠くか近くか、何人で乗るか、どの程度の頻度か、そのジャンルの何を楽しみたいか等々まで掘り下げれば、もっと楽しめるかと思います。 つまり、明らかにすればする程、楽しめると思います。一番目の簡単極まりないヨットも、使い方によって最高ですし、間違えれば退屈極まりない事になりかねません。

        

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