第五十話 ヨットの寿命



      
いろんな中古艇を取り扱ってきましたが、はっきり言って全般的にメインテナンスが良くありません。壊れた箇所の修理はしてきたのでしょうが、それ以上では無い。よって、取りあえず、ヨットの寿命は20年という事にしておきます。ちょこっと近所を乗るには問題が無い、時化たら乗らないなら問題は無い。しかし、ロングを走ったり、時化たりすると途端にトラブルが出てくる。

それで20年も経ったら、全体を見直してオーバーホールするぐらいに考えた方が良い。そうしたら、寿命がまた20年ぐらい延びます。でも、ほったらかしで20年の寿命なんて、ヨットは優秀です。保管されてる環境は決して良くは無いのに。

エンジンのオイルやフィルターぐらいは誰もが交換していますが(多分)、20年も経つと排気管とか、スルハルバルブとか、機器類とか、ワイヤーとか、いつ壊れても仕方がない。電気配線なんかも電食していたり。この点、良いヨットはワイヤーが電食防止で錫メッキされていたりします。でも普通は無い。リギン類もロープ類もセールも、20年も経てば考えた方が良いと思います。

ところが、市場は、これに応えていない。やっぱり20年物とみなします。だからか、オーバーホールまでしてお金をかける人は居ない。やっぱりこの差をきっちり反映させるべきだろうと思います。日本のヨットも、20年物はざらにあるし、30年オーバーもある。これからの事を考えますと、どこかできっちりしていかないと、駄目になりますね。日本にもアメリカの様にサベイヤーが必要になってくると思います。

1943年建造 27フィート 700万円もします。 それを認める市場がある。
        

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