第五話 知性と感性のスポーツ



      
セーリングは体力というより、知性と感性のスポーツです。だから、年取ってもできます。本格レースなら、体力も必要でしょうが、そうじゃない。それに、ピクニックする時はゆったりもできる。でも、それだけじゃ物足りなくなるから、頭使って知的アプローチを楽しむという、極めてインテリジェントなスポーツです。

一般的にお勧めしたいのは、やはり安定性の高いデイセーラーです。そうなると、少し重めの排水量(デイセーラーの中ではという意味です)、それでバラスト重量がセール面積に対して相対的に重いもの、そうなるとデザインとしてはクラシック系になります。モダン系の排水量はみんなもっと軽いし、セールが大きい。もっとスポーツ度の高いヨットをお望みの場合にお勧めです。

それでお勧めは、強風に強い、腰の強いヨットという事になります。それでも、同じサイズのクルージング艇よりパフォーマンスは高いので、充分に楽しめると思います。SADRで言うなら、20前後です。 こういうヨットでひとつだけ気になるとしたら、セーリングに慣れた頃、微軽風でもっと走らないかな〜と思うかもしれません。排水量とセール面積の関係は、特に微軽風時に表れてきます。それで、第三のセールを使えば、それもカバーできますから、セールはジブとメイン+第三のセールの三枚は使えるようにしたいと思います。

モダンデザインの高いスポーツ度に比べると、少しマイルドにはなりますが、モダンデザインのパフォーマンスはレーサーに匹敵するようなパフォーマンスですから、一般的には、ちょっとマイルドぐらいで充分楽しめると思います。

こういうヨットに、風向風速計とスピード計、それにヒール計を設置して、知的アプローチを試みる。そのフィーリングを楽しんでいきます。これがデイセーラースタイル。計器を有効に使って、風向風速とボートスピードの関係から、セール調整の具合までを、科学的に検証するみたいな感じです。科学の実験ですね。これで、客観的なデータを積み上げて、セーリングを解明していくという壮大な試みです。ちょっと大げさですが。それを遊びながらやる事になります。そういうテーマを持ちますと、ただ無闇に走るより、やる気が出てくるんじゃないかと思います。

もちろん、友人達とのピクニックも欠かせませんので、二刀流であります。両方があってこそのセーリングであります。セーリングの研究者でもあり、ただの遊び人じゃありません。その成果はピクニックにおいても発揮されます。

        

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