第一話 美しいヨットを美しく走らせる



      
今日のデイセーラーの誕生は、アレリオンによってスタートしています。しかし、そのきっかけを造ったのは、それ迄には無かった新しいデザインを依頼したオーナーでした。散々レースを楽しんできた後、シングルハンドで、楽に操船できて、高い帆走性能を持つヨット。そして、彼は有名なデザイナー、ハーショフ氏のヨットが好きだったとの事です。詳しくは、以前、アレリオン誕生物語(TALK36)として書きました。

彼にとって、性能も操作性も重要だったに違いない。しかし、つまる処、美しいヨットを、美しく走らせたかったという事です。そして、性能も操作性も、美しさには欠かせなかったという事だと思います。

これまで面倒くさい事も、いっぱい書いてきました。でも、面白さを獲得する為には知識や技術は、やはりあった方が良い。自分のセーリングを向上させていく事が、面白さになると思います。しかし、その大前提として、デイセーラーのセーリングは、この 「美しいヨットを、美しく走らせたい」 という処にあります。 
言葉を変えれば、兎に角、カッコ良く走らせたいという事です。ヨットやるなら、カッコ良くなくちゃ。

最も基本的なシートしか操作しかしないセーリングであっても、そのレベルで馴染んだ感じを得て、自由自在を感じて走らせる。それにひとつ艤装を加えたら、そのレベルで同じ様にフィット感を感じる。だから、いつでも、どの段階でも、せっかくの美しいヨットですから、美しく走らせたいと思います。その為にも、操作性や性能、滑らかさ、安定性やバランス等が必要になってくる。

結局、デイセーラーに対して実用性よりもセーリングを重視し、そして、そのセーリングからどんな味わいが得られるか、その味わいこそが、重要なのです。それで、デイセーラーというヨットを一言で表すなら、  ”美しいヨットを、美しく走らせる”  という事で、最後はこれに尽きるかなと思います。

        

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