第十九話 パフォーマンスクルーザー(アルコナ340)




        これまで、デイセーラーばかりを取りあげてきました。しかし、どうしても、たまにだとしても、ロング
       クルージングを、と言われる方に、唯一、セーリングを重視したクルージング艇を取り扱っています。
       何故、セーリング重視かと言いますと、やはり、それでも、日常のデイセーリングは欠かせないと
       思うからです。

       スウェーデンのアルコナヨット、最新のバキューム/インフュージョン工法を採用し、硬い船体を建造
       船底には、亜鉛メッキされたスチール製のフレームを設置し、ここにストレスの大きいキールやリギン
       を接続し、ここで受けています。波高7m、風速28m の中を連続5日間以上、単独で連続走行でき
       るという規格に、全モデルが合格しています。

       また、内装としても、かなり造り込まれたクルージング艇であり、同時にセーリングパフォーマンスを
       性能及び操作面においても充分に考慮されています。

       まずは、最少モデルのアルコナ340です。排水量は5,200kg、バラスト重量は1,950kg、セール
       面積は67.2u(106%ジブ)です。これで計算しますと、SADRは22.6になります。かなりスイスイ
       走れる感じです。もちろん、セルフタッキングジブも可能です。

       メインシートは、当然ですが、コクピットにあります。ブームのできるだけ後方からコントロールした方が
       テコの原理から言っても操作し易いし、何しろ、すぐ手が届きます。ブームへの負担も軽減されます。
       写真では、ジャーマンメインシートシステム(シートを一旦、マスト側へリードして、左右に分けて、コク
       ピットにリード)を採用していますので、ヘルム横の左右舷ウィンチからコントロールできます。

       内装は写真からも解る通り、非常に作り込んであります。量産艇の様にモールドをたくさん使うのでは無く
       木材を豊富に使って、それを積層する事によって、船体剛性をさらに上げています。これなら、ロング
       クルージングもできますし、日常におけるデイセーリングにおいても、そのパフォーマンスを満喫する事
       ができる。ただ、シングルハンド仕様を狙ったわけではありません。でも、ダブルなら何ら問題無いと思
       います。クオリティーの高いヨットです。

       すぐ下の写真では、タッキングセルフジブにしていますが、標準では、ジブのトラックが内側と外側の左右
       2本づつあり、ノンオーバーラップジブでしたら、内側を使い、より上り角度が良くなります。セール面積を
       もっと増やしたかったら、外側のトラックを使い、これが一般的な良くあるやり方となります。通常では、
       106%ジブのセールプランを推奨しています。そのセールでSADR22.6ですので、充分かと思います。


  
  
  
  
  
       

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