第八十三話 モーリス M29

米国にはヒンクリーと並んで、高級外洋艇建造で知られるモーリスヨットがあります。創業者はトム・モーリス氏、2001年にその息子であるカイラー氏に受け継がれ、カイラー氏は2004年にMシリーズとして、デイセーラー、M36を建造。これが最初のモデルとなります。その後、バリエーションを広げ、現在では、29フィートから上は52フィートまでを建造しています。

今回のご紹介は、その最少モデル、M29です。排水量は1,969kg、残念ながら、バラスト重量が良く解りませんが、昔の資料から見ますと、多分880kgだと思います。それで、セール面積は36.7uで、SADRは23.6になります。かなりスポーツ性があるヨットだと思います。軽量化の為か、デイセーラーに対する考え方なのか、このヨットには、バウキャビンがありません。メインキャビンのみになり、それも、かなり狭いです。また、ウィンチが一切ありません。全てはテークルを組んで、直接手で操作する事ができます。そして、もうひとつ、ジェネカーをバウに収納する事ができ、そこから展開、収納できます。これはビデオをご覧ください。徹底したシングルハンドとデイセーラーに対する考え方が伺えます。幅が2.24mで、かなりスリムなヨットです。

  
  
  
  

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