第19話 思いっきりコマーシャル

ヨットはシングルハンドが基本だと思っているのですが、その為には低い重心と操船の
し易さが必要で、その為には多少居住性は犠牲にしてでも、乗って楽しい、セーリング
重視のヨットが良いと思い、デンマークのノルディックフォーク、アメリカのアレリオンと
GH26の販売をしています。この三つは個人的にほしいヨットなのです。一人か二人
ぐらいなら、一泊か二泊でも行けますし、それより、デイセーリングとして面白いセーリ
ングが気軽に、日常的に楽しめる。これが最も望むところです。見かけもクラシックで
美しい、手入れして、古くなればなるほど、味わいの出てくる。長く乗れるヨットです。

これよりもう少し大きい艇で、外洋までをこなすヨットとしてはオランダのマリーホルムが
あります。外洋性があり、シングルでも操作しやすい。造船所は標準をセルフタッキング
ジブにして、おおきなメインという設定。日常のデイセーリングでも操作し易い。

もっと大きなヨットをお望みであれば、アメリカのセーバー、イタリアのコメット、そして、
もうひとつアルデンがあります。いずれも外洋性高く、日常のデイセーリングにも二人
いれば気軽に出せる。造りも素晴らしいです。セーバーとアルデンはいずれもトラディ
ショナルなデザインで、長く使って、使い込んだ美しさが出てきます。イタリアのコメット
はさすがにイタリアと言いますか、おしゃれなデザインなのですが、奇抜さが無く、イタリ
アントラディションと言われ、ちょっと保守的なデザインなのですが、エレガントで良いデザ
インをしています。

最後に、ちょっとすごいヨット、ドイツのディスタンシアです。60フィートをシングルでこなす
というコンセプトでできたヨット。コクピットから全てをボタンひとつでコントロールできるよう
に設計されています。エンジンも二基がけ、日本人には考えもしないデザインです。ヨーロ
ッパではこれに成功して、次に80フィートを建造予定しています。

いずれも大量生産というヨットは扱っていません。全て年間100艇前後、或いはそれ以下
の建造艇数です。と言いますのも、ヨットは実に手間のかかる代物で、手作業が多いし、
良い職人が手間をかければかける程、良くなる。良いヨットはトラブルも少ないし、乗って
楽だし、長持ちする。ちょっと割高ではありますが、長い年月を考えれば、その方が良い。
それには100艇ぐらいがリミットではないかと思うのです。そこまで必要無いと言われれば
身も蓋も無いのですが、新艇時に見分けるのは一般の方々には難しいでしょうが、古くな
ればなるほど、違いが歴然と出てきます。ヨットは長く乗れるものです。古いヨット、といっても
日本にあるのは、たかが20年か30年ぐらいですが、それでも艇によってその差は歴然と
違っています。20年も同じヨットに乗らないといわれるかもしれませんが、良いヨットは耐久
性だけの問題では無い。20年の間の乗り心地、トラブル、操作性、安心感、これらは大き
いのです。

当社の思いっきりコマーシャルでした。

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