第七十二話 石の上にも三年

そんな諺がありますが、何をするにも、自分のモノにするには、最低は3年は辛抱しろという事かと思います。自分に合うか合わないか、そのヨットが自分に合うか、自分のモノにするかにも、最低三年はかかるものかもしれません。それも、真剣に取り組んでの話。

真剣に取り組んだら、自分所有のヨットが本当に自分のモノになるのは当然にしても、ヨットという乗り物全体を自分のモノにできる。だから、他のヨットもすぐに解るようになれる。ヨット自体は何物かが解ってくる。という事は、早く、自分のモノにした方が、ヨットというモノを楽しむ事ができる。

真剣に三年やったからと言って、ヨット全体を自分のモノにはできないが、でも、解ってくるという段階にはなる。知識と経験が統合されていく。それはセーリング技術のみならず、ヨットというモノへの理解が深まる事で、セーリングはもちろん、ヨットの運営の仕方において、自分なりのスタイルが構築され始め、どんなヨットが合うのか、自分のスタイルが見え始めるかと思います。

そうやって初めて、ヨットというものが楽しめるようになるのかもしれません。何かを真剣にやりますと、良い事も悪い事も経験し、そのうえでの構築がなされます。そうでないと、本当にヨットの面白さというのは解らないのかもしれません。

ヨットをどう扱おうが自由です。世界を旅して回るヨットもあれば、デイセーリングでセーリングを楽しむヨットもある。自分が楽しめるスタイルで、面白さを得られれば良い。サイズも自由だし、艤装も自由に、どんなスタイルでも構わない。しかし、自由に構築するのは、簡単じゃない。だから、三年はかかるのかもしれません。真剣に取り組んで。

どんなジャンルも取り組み、面白さを得るには十分な価値がある。何でも真剣に取り組めば、それなりの面白さがある。その中で、自分好みのスタイルを構築しましょう。できるだけ早期に。その方が、その後の時間をもっと楽しめる。

当社で取り上げるは、セーリングであります。セーリングをいかに面白く楽しめるか? いろんなヨットを取り扱っておりますが、常に、これがメインテーマだと考えます。それ以外は、おまけ、付録、息抜きという感じ。メインに対するサブみたいなものです。メインは面白さを得、サブでは楽しさを得る。そんな風に考えます。

当社で言う処のサブをメインに持ってきますと、運営の仕方が全然違ってきますし、ヨットの選択も変わる。時間の使い方も違ってきます。だから、何かをして、何かはしないでは無く、全部やるけど、メインは何か? セーリングか、旅かレースか、宴会か、ピクニックか・・・・・? そこをいち早く意識してテーマを決めると良いのではと思います。何が楽しいのかというより、何が最も面白いか?

次へ       目次へ