第七十五話 ３枚のセール
| ファーリングの微軽風用セールを、巻いたままで、出航前にあげておきます。中風、強風なら、ジブとメインで走る事ができます。それが徐々に風が落ちてきたら、どんどん落ちてきたら、もはや、ジブが使えなくなったら、ジブを巻き取って、微軽風用のセールを引き出します。 このセールのラフは直線です。スピンハリヤードにテンションをかけて、ラフを直線にする。これによって、上りを稼ぐ事ができます。でも、生地はスピン生地。ですから、微風用です。０．７５オンスから、１．５オンスにすれば、もう少し強い風でも上りで使えるかと思います。もちろん、ジブ程に上る事はできませんが。でも、微軽風ですから。 ドラフトはもちろんジェノアより深い。微軽風用ですから、でっかい超ライトジェノアだと考えても良いかと思います。でも、シートはジェネカーと同じように後部からリードしています。でかいセールですから当然ですが。 これで、シートを引き込んで、ある程度の上りから、徐々に落として、下りまで使えます。通常のジェノアで、風さえあれば、下りで使えます。ただ風が弱いから使えないだけですから、それなら軽いセールにすれば使える。 ただ、ファーリングにすると、あまりドラフトを深くてきません。深いとァーリングとしてきれいに負けなくなります。ある程度浅目で、ラフが直線になるから、上れるわけで、だからこそ、下りになりますと、下り専門のジェネカーには性能的には勝てないという事になります。 でも、微軽風を十分に堪能する事ができます。ジェネカー程、下りの角度を稼げないけれど、でも、セーリングを遊ぶには十分堪能できるのではないかと思います。それにファーリングですから、操作も簡単だし、トラブルも少ない。 これはジェノアをファーリングにした時と同じで、ファーリングにすれば性能は落ちる。でも、この使い勝手をみんな採用したわけですから、このファーリングのジェネカーと言いますか、このセールも同じであります。性能を求めれば、ファーリングにしないで、それなりのセールにした方が良いに決まっています。しかし、ファーリングのメリットは実に大きいし、まして、昨今のショートハンド事情を考えますと、これからは、スピンでは無く、ジェネカーでは無く、ファーリングのコードゼロ的スピン生地を使ったセールが活躍するのではないかと思います。超ライトジェノアです。 という事で、これからのセーリング遊びには、ノンオーバーラップジブ又はセルフタッキングジブにおおきなメイン、それとス超ライトジェノアで決まりかな。これなら、メインとジブのセールはダクロンでも良いかもしれません。後は、用途によってスピン生地の厚みを薄くするか、厚くするかを選べば良いという事になります。軽風上りが多くしたいなら、厚めで、上りは微風あたりで、それよりアビームから下りなら、薄めでという事になります。 もちろん、上りは考えないなら、通常ジェネカーで良いわけです。でも、風向を考えれば、上り用と下り用があれば良いわけですが、加えて風速の問題がありますから、トータルで考えた時、セーリングを遊ぶ時、最小限のセールで最大の効果を得ると考えた時、さらにシングルやダブルハンド程度を考えた時、この３枚のセールは最も効果的ではないかと思います。もちろん、本気レース以外はですが。 この超ライトジェノアをファーリングにするメリットがもひとつあります。出航前にあげて、帰港後におろすという事もありますが、もうひとつはジャイブです。このセールとフォアステーの感覚が短い時、内側ジャイブはしずらくなります。それで外側でやれば良いわけですが、もうひとつは、ジャイブ前に巻き取って、ジャイブ後に再び展開する事もできます。これならトラブルは無い。外側ジャイブに慣れてしまえば、そんな必要はありませんが。 |