第四十九話 コーヒーブレーク

為替レートが日々変動しますから、これがややこしい。固定になれば簡単で良いのにと思っていたら、でも、実際そうなったら、これはこれで問題でもあります。もし、ギリシャがユーロに入っていなければ、とっくの昔にギリシャ通貨は切り下げになっていたはずなのに、同じユーロなもんですから、どんなに状況が悪くなっても、1ユーロは1ユーロ。それで、こんなになってしまいました。

約10年前にユーロができた頃というのは、ヨーロッパはすごいなと思っていましたが、近頃は問題噴出。こうなるとは思わなかったですね。通貨統合なのに、政治と財政はバラバラ、これが問題というのが浮き彫りになってきました。一体どうなるんでしょうか?強い国と弱い国の競争で、ハンディキャップ無し、ヨットレースで言うところのレーティング無しですから、結果は目に見えています。為替レートというのは、レーティングと同じ役目をしているんだな〜と思います。イギリスや当社扱いのアルコナ社があるスウェーデンは、ユーロ圏には入っていません。こういう事解っていたのかな〜?

世界の動きは、レーティング無しの自由競争に走る方向と、否、レーティングは必要だという方向に二分してきている。力が同じぐらいなら、レーティングは不要でしょうが、条件が違うなら、レーティングは外せないと思います。結果は目に見えてますから。それがヨットレースならまだしも、国家的にやるのはどうでしょう?と思わざるを得ません。

レーティングの作り方には、いろいろ工夫する余地はあるのでしょうが、でも、無しにするのはどうも。もしそうなると、まずは弱い処が排除され、やがて世界は均一化していく?そうなると、面白くも何とも無くなる。異なる文化があるから、違う物が生まれ、異なる文化があるから、ある特定の価値観において、それが有利だったり不利になったり、それでレーティングで調整できる。全てのヨットが最新ハイテクレーサーばかりになったら、世界はちっとも面白味が無くなります。

ヨットレースにはボックスルールという考え方もあって、ある基本的な要素を満たせば、後は自由というのがあります。ユーロ圏はそれを目指したのかもしれません。しかし、基本的要素が十分では無かったという事になります。ルールで縛りすぎると発展が望めなくなる。これも事実かと思います。しかし、あまりにも自由というものは弊害を生む。

世界はまだまだ進化の途中。その進化は各国によって異なる。理想は自由だけれど、それは全てが同じラインに立ってからの話になるのではないかな?それまでは進化を促す事はしながらも、レーティングを調整しつつ、進むしか無いような気がします。でも、誰が全ての国が同じラインに立つ事を望んでいるか? 世界は複雑だな〜。

今回は、ヨットにあまり関係無い話で恐縮ですが、世界をヨット的視点から見てみました。日本は長いデフレに喘ぎ、景気が良く無い。日本が元気にならないと、マリン業界だって元気になれない。こんな事は、少子化問題や、ヨットが増えない現象等、同じ事ではなかろうか? 日本が元気なる事が、何より我々国民にとっては大事な事ではなかろうか?そうすれば、自然に解決されていく事も多いのではないかと思うのですが?

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