第十三話 時間とセーリングの関係

どのようにセーリングするか? 或は、どのように走らせるかは、そのセーリング時間に応じて変化していきます。例えば、それがレースであれば、その時間には無関係で、ひたすらセーリングに集中するでしょう。風が強かろうが、弱かろうが、無風状態に落ち込んでしまおうが、また、その距離が短いものであっても、長距離であっても、集中力を保ち続ける事は勝利にとっては非常に重要になると思います。しかし、レース以外の状況においては、そうはなりません。何故なら、それは動機の問題となるからです。

短い時間、それは短い距離という事にもなりますが、2〜3時間から、5〜6時間程度以内であれば、それなりの集中力を持ってセーリングを探求する事ができます。いわゆるデイセーリングです。つまり、日帰りセーリングにおいては、セーリングにおける探求をする事ができます。しかし、もっと長い時間においては、集中力というのは、そう持続できないでしょうし、日帰りでなければ、長距離となって、クルージングという感覚になり、セーリングの探求というより、ゆったり感が出てきて、エンジン走行という事にもなります。

セーリングの探求ならば、セーリング性能が高い方が面白いのですが、クルージングになれば、セーリング性能よりも、波あたりの柔らかさとか、エンジンでのスピードとか、そういう方が気になります。

つまり、どのくらいの時間、距離をプランするのか? それ次第で乗り方は違ってくると思います。
簡単に言えば日帰りセーリングとそれ以上の長い時間(距離)とのふたつに分ける事ができます。
一日か、それ以上か? そう分けてしまいますと、年間の使い方もある程度は想像がつくのではないでしょうか?

ある人はデイセーリングを中心に、近場のクルージング、またある人は、クルージングの頻度が多い、またある人はその半々。これは実際の時間的な割合という事もありますが、気持ちの割合という事もあると思います。気持ちとして、どう楽しみたいかです。

お薦めはもちろん、デイセーリングにおけるセーリングの探求です。クルージングの方でも、それ以外では近場のセーリングというものも必ずあるし、むしろ、時間的にはその方が圧倒的に多いのではないでしょうか? ならば、その圧倒的に多い時間は重要ですから、気持ちもそこにシフトさせ、日常はセーリングの探求を核として、それ以外をピクニックやクルージングに当てて、バリエーションを持つという事をお薦めします。それが日本人には最も合う乗り方ではないかと思っています。

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