第二十九話 アレリオンブランド

   数あるデイセーラー群の中において、やは
   りその中核を成すのは、アレリオンでしょう
   今日のデイセーラーコンセプトの先駆けと
   なり、その基本を形成しています。

   20年の時を経て、最新のデイセーラーを
   見ても、みんなアレリオンのアイデアを踏
   襲している事が解ります。

   低いフリーボード、低い重心、セルフタッキ
   ングジブ、大きなメイン、シングルハンド仕
   様、広いコクピット、様々な点において、
   アレリオンのアイデアが採用されています。

   この事は、現代のデイセーラー基準が、ここ
   に始まっていると言えます。サイズが大きく
   なろうが、非常に軽い船体を建造しようが
   クラシックだろうがモダンだろうが、全ては
   ここから始まり、今も踏襲されています。



そのアレリオン28も、基本は変わりませんが、この20年の間に進化し続けています。キールデザインは変わり、エンジンはセールドライブに変わり、ジブブームを採用し、さらにライトエアーイクステンダーも加わります。さらにデッキの艤装配置も進化してきました。今では、ほぼ完成の域に達したのではないかと思います。

今日、アレリオン28より、その排水量が軽いデイセーラーもたくさん出てきました。しかし、このヨットのセーリングにおける安定感、滑らかさは、こんなに気軽になれて、セーリングはこんなに面白かったのかと、あらためて教えてくれます。だからこそ、今日でもデイセーラーのベストセラーとなっているのかもしれません。

あるアメリカのオーナー曰く、アレリオン28を15年前に購入し、現在でも楽しんでおられ、その美しいスタイルは、今でも、多くの方が賞賛してくれるそうです。多分、これから何十年経っても、衰える事は無いでしょう。

アレリオンは一生物として、或は、次の世代にも渡していけるヨットです。この事はデザインだけではありません。構造、工法 等の技術があってこそです。アレリオンの工法であるSCRIMP工法は、最近になってこそ他の造船所でも広がってきましたバキュームバッグ/樹脂インフージョン工法と同じです。それを既に20年以上前から確率していたのですから、流石と言わざるを得ません。

いつかは、ビジネス抜きでオーナーになりたいと思っています。非常に軽いヨットが出てきた今日、我々も体感的にスピードにも慣れてきました。だから、このアレリオン28には、微風用ジェネカーを装備しておきたいな〜と思います。そうすれば、もう完璧じゃないかなと思う次第です。写真の様に、気軽にサンセットセーリングなんかも良いですね。

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