第八十四話 若者

最近の若者は、とか言いますと嫌われますが、ヨット界は世代交代がうまく行っていない。若者がヨット遊びに興味を示さない。それどころか、車にも興味示さないので、自動車免許の取得数も減少しているとか。女性にもあまり興味を示さない草食系とか言われます。若者の半分ぐらいは、彼氏、彼女が居ないという統計もあるとか?

そんな事をどうこう言ってもはじまりませんが、それも時代の流れ、時が経って、振り返って、それは先々の人々が言う事かもしれません。そんな事はさておき、世代交代がどうこう言っても仕方無いので、どうやって若者を呼び込むか? となりますが、でも、今ヨットやってる人達が、いかに面白く遊べるかの方が重要かもしれません。世代交替がうまく行っていないのは、金銭の問題もあるでしょう、ヨットスクールの問題もあるでしょう、でも、本当はヨット自体に魅力を感じていないのかもしれません。

今の方々が面白く遊んでいないなら、若者が来るはずが無い。お父さんがしょっちゅうマリーナに嬉々として出かけていく。そんな姿を見せる事が重要かなと思います。何がそんなに面白いのか?

ところが、実際にそれを実践している方々はそう多くは無いようです。若者に問題があるように見えて、実は、我々側にも問題があるのかもしれません。我々が、もっと楽しんでいかないと、その魅力は伝わらないものかもしれませんね。

ヨットの魅力は海に出るというだけでは物足りない。ピクニックセーリングも良いし、デートセーリングも良いし、クルージングも良い。でも、もっとエキサイティングな面白さがほしい。キャビンでゆったり感を満喫するのも良いが、それも何度か経験すれば、それほど大きな魅力には思えない。それよりは、セーリングをいかにやって・・・・・・・とか考えてしまいます。

若者の中でも、活躍している人達も多い。捨てたもんじゃありません。ただ、多くの若者達は、いろんな事に魅力を感じていないのかもしれません。変に、テレビやパソコンでゲームなんかあるもんですから、バーチャルな世界で満足して、現実の世界は面倒くさいと思っているかもしれません。

でも、現実の世界はパソコンゲームとは雲泥の差。肌で感じる暑さ、寒さ、波飛沫を浴びたりの実感があります。それが嫌だと思い始めた我々が居るわけですから、若者だって嫌ですよね。
ドジャーやビミニトップが当たり前の時代になってきて、エアコン積んで、便利を享受して、楽しようと考えています。気持ちは解ります。楽は良い事とされていますから。

でも、その反面で、面白さが失われていくのなら、それは本末転倒という事になります。車でも、自転車でもバイクでも、今やっている人達が面白さを感じる事が先決ではないかと思います。面白いものは人を魅了しますから。若者を呼び込む方法なんか考えるより、我々世代が楽しむ事こそが必要ではないでしょうか?

一生懸命働いて、一生懸命遊ぶ。時はあっという間に過ぎていく。既に今年も2月です。早いものです。ですから、ぐずぐずなんかしていられませんね。10年後はどうなっているか解りません。今できる事を一生懸命やって、楽しんで、時をぶっ飛ばすぐらいのパワーが必要かもしれません。長い不況で誰もが沈み込んで、そんな時こそ全開で遊ぶ。できない事をうだうだ言っても仕方無いので、できる事に専念する。そんな事していたら、反省したり、後悔したり、そんな暇は無いかもしれません。

若者なんか相手にしないぐらい、逆に、若者に対してヨット界に来るな、と言うぐらいの方が丁度良いのかもしれません。そうしたら、来るんですね。多分。おまえなんか10年早いと言うと、来たくなる。

まあ、それはさておき、若者をヨット界にと考えるのはやめて、現役ヨットマンの方々が、いかにもっと楽しめるようになるか、それをテーマとして考えていきたいと思います。とは言いながら、やっぱり冬は寒い。特に最近は。春よ来い。

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