第七十六話 ジェネカーON ALERION

            

確か、カナダだと思いますが、アレリオン28にROLLGENのジェネカーファーラーを設置しています。実に気持ち良いくらいファーリングがスムースに出来ています。このファーリング方式はラフがフリーで、その代わり、巻き取る為の芯になるロープが別にあります。

時折、ラフが乱れているシーンを見ますが、これがラフがフリーな為で、その分少しトリミングに注意を要するところです。でも、その分、角度を落とす時は、セールが反対舷にまでせり出してきますから、より角度を落として走る事ができます。

もうひとつの方法である、芯がセールのラフに縫い込まれたジェネカーの適切なビデオが無かったので、お見せできませんが、ラフが巻き取り芯と一体ですから、セールは安定します。従って、トリミングの際にちょっと楽ですね。

でも、角度を落としていきますと、ラフがフリーなタイプは、セールが反対舷にせりだしてきますから、その分角度を落として走れますが、ラフが固定されますと、せり出す事ができませんので、落とす角度に限度がきて、メインセールの陰になりますと、メインが邪魔になり、それ以上落とせない事になります。多分、135度とか140度とか、そのあたりぐらいまでは落とせるかと思います。

また、ROLLGENタイプのシステムでは、セールのドラフトを深くする事もできますし、本来のジェネカーセールをそのまま使う事ができます。しかし、もうひとつのラフと芯が一体となるシステムでは、
きれいに巻き取る為には、浅めにする必要もあります。でも、シングルには使い易いかなと思います。

性能をより求めるか、使いやすさを求めるかでも違うかなと思いますね。いずれにしても、従来のメインとジブにもう一枚のジェネカーを加えるとセーリングの質が変わります。ジェネカーはダウンウィンド用、でも、微風用と考えて、もっと多くの範囲で使う事ができます。

一般的な流れとしては、ROLLGENタイプのように、巻き取り芯を別にしたタイプ、この方が各メーカーはより多くだしてきていますので、流れはそれかもしれません。ジェネカーをダウンウィンド用と考えた場合、そちらの方が性能が良いからだと思います。

しかし、何度も言いますが、特にシングルハンドの場合での、取り扱いのしやすさ、それと、微風用と考えた場合の、上り、アビーム、下りまでを使うという場合は、下り性能が多少劣るにしても、もうひとつのタイプの方が使い易いのではないかと思っています。もちろん、ROLLGENタイプでも、ある程度上れますが、上りの範囲はもっと広いし、何と言っても、ラフがハリヤードで引かれてテンションがかかりますので、ラフが常に安定しているという使いやすさです。慣れた方にとってはどおって事は無いかもしれませんが。

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