第二十八話 ノルディックフォークセーリング

福岡にノルディックフォークが来てから、何度かセーリングをしてきました。それで、そのご報告と言いますか、このヨットの面白さについて、あらためて感じた事を記載したいと思います。

何といっても、このヨットの強風の強さは抜群で、低い重心の船体に加えて、53%のバラスト比、メインセールにはリーフポイントがありません。いつでもフルセールで走る事ができます。これは非常に心強い。おまけに、波が高くても、船底形状は鋭角であり、波に叩かない。実に柔らかいのです。リグはフラクショナル、セールは小さなノンオーバラップのジブと、メインセールです。

  抜群の安定感の中で、いろいろ操作して走
  る事ができますので、実に面白い。強風で
  もリーフもしなくてい良い程の安定感は、気
  分的に実に楽になります。

  すみませんが、帆走中の写真がありませ
  ん。これはヨットに乗ってからでは、良い
  のが撮れません。近すぎるんです。

  さて、問題は微軽風です。強風に抜群に
  強くても、微軽風では、このままでは苦手に
  なります。鋭角の船艇はより大きなパワー
  が必要になります。でも、微軽風ではその
  パワー不足となるわけですが、ここで活躍

するのがファーリングジェネカーです。出航前にセットしてマリーナを出ます。ジブとメインで上りや、強風を楽しみ、微軽風では、ジェネカーを開きます。このジェネカーは以前、ジェノアに近いという事を書きましたが、リーチャーというセールがあります。この方が近いかな?0.75オンスで、
アビームあたりを中心に、上れるし下れます。

  写真はリーチャーというセール、0.75オンスのスピン生地を使い
  アペアレントで70度から120度というセールメーカーの記述があり
  ました。ジェノア的ジェネカーとか言ってきましたが、このセールの
  方に近いかな。これをファーリングにする。ラフはもう少しストレート
  に近くでも良いかなと思います。リーチも少し落としても良いかな?

  ファーラーにする利点は展開や巻き取りが楽だというだけでは無く、
  ラフがストレートになりハリヤードのテンションがかかりますから、
  セールが安定し、操作がし易い。特にシングルの場合には扱い易く
  て良いと思います。まるでジェノア感覚で走れます。

  



  左の写真はジェネカーです。この写真と比べますと、形状がかなり
  違います。クルーが居るなら、この方が良いかもしれません。
  セールメーカーの記述では、110度から150度とあります。でも、
  デイセーリングをシングルを含めたセーリングを遊ぶなら、リーチャー
  のファーリング用にアレンジしたセールの方が気軽で良いかと思いま
  す。










実際、このセールを展開しますと、実に面白い。退屈なセーリングになりかねない微軽風であっても、活き活きとしてきます。よく走るし、そのまま上っても、下っても、良いし、ついつい、そのままジェネカーセーリングを続けたくなります。

ジャイブにおいては、フォアステーとの間が、約1m近く空いており、うまくすれば、内回しで、セールが間をスルリと抜けてくれますが、慣れないうちは、一旦巻いて、また展開します。ファーリングの巻き取りは実にスムースですし、簡単に行えます。

デイセーリングにおいて、強風から微風まで、実にセーリングが面白いと感じています。このヨットにはスピード計は設置しておりませんが、絶対スピードは速いとは言いません。しかし、海面が近い為、スピード感があって、面白さを感じます。レースをする時以外、日常のデイセーリングを楽しむにおいて、これはとっても面白さを生み出す。面白さは、絶対スピードより、スピード感です。
面白いのが何よりです。速いヨットが8ノットで走っているとしても、実際は非常に遅い乗り物です。自転車の方が速い、マラソンランナーの方が速い。でも、スピード感はありますね。我々が楽しんでいるのは、スピードでは無く、スピード感なんです。

さて、このヨット、船外機では無く、インボードエンジンならもっと良いのに、という声を時々聞きます。波が高くなるとプロペラが浮いたりするからです。でも、このヨットはデイセーラー、エンジンで遠くに走るヨットではありません。マリーナを出たらセーリングです。船外機で十分です。それにむしろ船外機の方が良いという理由があります。

その理由はロングキールにあります。ロングキールは後進での舵効きが悪い。大きくしか回れません。狭いマリーナで、後進して、すぐに右か左に曲がるというのは無理がある。インボードエンジンにしたところで、解決する問題ではありません。ところが、船外機でしたら、エンジンそのものを
舵のように左右に振れます。この方が舵が聞きますから重宝します。

マリーナを出たら、すぐにセールを出してセーリングしますから、船外機で良い。むしろ、このヨットには船外機の方が良いと思います。エンジンはあくまで出入りに使います。デイセーラーですから、それで良いと思います。それより、、機走能力より、セーリング能力の方が重要です。

ノルディックフォークの魅力をあらためて認識しました。日本を除く、世界で流行る理由が解ります。このヨットをデイセーリングとして遊ぶにおいて、レースは兎も角、自分の気軽な遊びとして使うにおいて、実に面白い。それで、欧米では、このノルディックフォークだけのワンデザインレースを楽しんでいます。ヨーロッパでのレース写真なんか見ますと100艇ぐらい集まってきます。その意味が良く解ります。残念ながら、日本では数艇が散らばっているだけですから、こういう事はできませんが。

日本に、もっとセーリングの土壌ができたら、こういうヨットが活躍できる。このセーリングの面白さをもっと広げていければと思います。

最後に、キャビンについては、語る程のものはありません。シンプルそのものです。これが日本ではあまり受けない理由ですが、セーリングが面白く感じたら、問題では無くなると確信しています。
このヨットのポイントは抜群の安定とジェネカーファーラーにあります。

アレリオンはノルディックフォークより速いですがが、ジブブームがあってダウンウィンドも走れます。しかし、このジェネカーファーラーを使わないては無い。もっとエキサイティングに走れる。従って、デイセーラーには、いつものように、小さなジブと、大きなメイン、それにジェネカーファーラーをお薦めします。セーリングの面白さが広がる事請け合いです。 

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