第十話 レース

いろんなジャンルの遊びがある中で、ヨットレース程、一般オーナーが参加するレースは他にはありません。車は誰もが持っていますが、みんながレースして遊ぶわけではありませんし、自転車でも同じです。でも、ヨットは、結構、一般オーナーが参加するレースです。

つまり、それだけヨットレースは厳密に規定されたレースばかりか、一般が参加して遊べるゲームという事になります。本格的なレースから、一般のレースまで、同じレースという名前がついていますが、もっと気楽なものです。

考えてみたら、このヨットレースというジャンルは、もっと多様化したレースを企画して、もっと広げる事が、ヨットを遊ぶのには、効果的なのかもしれません。

2〜3時間のレースは、デイセーリングと同じ事。それを、たまに参加して、他の艇との競争を通じて、学ぶ事も多いし、モチベーションも上がり、いろんな工夫をも促します。それは、レース以外のセーリングにおいても、面白さをもたらすようになります。

そういう意味においては、ヨットレースがもっと盛んになる事は効果的だろうと思います。ただ、もっと参加艇を増やす為に、何らかの工夫が必要かもしれません。

福岡には毎月1回、スピン/ジェネカー無しのレースがあり、一般クルージング艇の参加も多い。これもひとつの方法かと思います。ただ、ヨットレースが難しいのは、各艇のサイズが違い、ポテンシャルが違い、バラバラですので、その状況で公平なレースは難しい。みんな同じヨットでレースするなら、事は簡単なのですが、そうも行きません。

お気楽レースとは言え、速いヨットが勝つ。それだけでは面白くないので、ハンディを設ける。それにしても、お気楽レースではそれも厳密にはできません。

それで、いろんなバリエーションのレースなんかが企画できると面白いかもしれません。参加する事に意義があると言っても、レースはレース、勝つ事が主たる目的になりますから、それだけでは無い、企画レースなんかもあると面白くなるかもしれません。

例えば、スタートは、陸上からヨットに乗り込むところからスタートするとか、シングルハンドやダブルハンドのレース、必ず女性を載せなければならないレース、ファミリーで参加するレース、あまり思いつきませんが、とにかく、いろんな面白い企画があると、参加者が増えて、彼らにとっても面白くなってくるのではないかと思います。企画次第でしょうね。これも簡単な事ではありませんし、企画する方のも主催するのも大変な労力かとは思います。日本ヨット界に、大手が居ないだけに、なかなか難しい。マリーナに期待するか、オーナーの自主的な企画なんかが出てくると良いかもしれませんが?

本当はワンデザインレースなんかでやれると面白いのではないかと思いますが、何しろ、同じヨットが少ないのが現状ですから無理があります。仮に数艇のヨットがあっても、そのヨットを持つ人しか参加できないという事にもなりますから、企画次第という事になりますか。

なかなか自主企画で遊ぶというのは、大変な事なのかもしれません。ただ、ヨットを出すだけで面白いと感じるのは、最初の頃だけかもしれません。それをキープし続けるのは、その方のモチベーションをどう維持していくかという事になりますから、そこを何とかする方法は無いのか?

それだけに、気軽に出せるという事は最低条件ではないか?セーリング中の気持ちをどう維持するか?やっぱり、何か難しい事に挑戦し続ける事、今のところ、セーリングをいかにして、いかにフィーリングを上げるか? そういう事になるかと思います。それに最も近いのがデイセーラーだと思っています。

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