第九十五話 ROLLGEN

当社が取り扱っておりますファーリングジェネカーのシステムですが、設置に関して少々注意点を書いておこうと思います。

まず、ジブファーリングシステムのように、回転する軸があります。その軸が、既存の装備に接触しない事が条件になります。通常、バウにはジブファーラーのドラムがあり、パルピットがありますので、そのジブファーラーのドラムより前に、最低30cmは前に離す。そして、その位置からまっすぐ
スピンハリヤードのマストからの出口まで、何も接触しないしないように、パルピットにぶつからないように前に突き出す必要があります。従って、大抵はバウポールを必要とする場合が多いです。

デッキ側はこれでクリアーされますが、このファーリングの軸をスピンハリヤードで引き上げるわけですが、この軸のトップ側にも、回転する物があります。これもジブファーラーと同様です。下のドラムほど大きいわけではありませんが。その回転する物が、スピンハリヤードで引き上げた時に、何にも接触せずに、回転できなければなりません。

スピンハリヤードのマストからの出口がフォアステーに非常に近い場合、ジブファーラーのトップ側の物にも接触しない事が条件になります。これに接触するようであれば、ROLLGENの回転が邪魔されますので、スムースな巻き取りができなくなります。

時々、設置に関してのお問い合わせを頂きますが、条件はデッキからマスト側まで、何も接触しない事が必要です。

それと、使用上の注意ですが、セールを出す時、巻く時、いずれも風の方向に注意が必要で、フォアステーに巻き付かないようにする事、つまり、風が横か後ろ側で、セールがフォアステーから離れている状態で巻く、或いは開く。さらに、巻き取る時、風の方向は良いとしても、風が弱い場合、
時に巻いている最中に、クリュー側が自重で垂れてくる場合があり、それに気づかずに、ひたすら巻きますと、垂れてフォアステーに近づいてきた部分を先に巻いたりする事もありますので、巻く時に、巻き取り状態を見ながら巻く必要があります。

これらの要領を得る必要があります。

この他、ジャイブ等は通常のジェネカーと同じです。ジャイブは舵操作とタイミングを合わせて行いますが、シングルの場合ではなかなか難しいかもしれません。それで、このファーリングのメリットは、一旦巻き取って、ジャイブして再び展開する事ができる。ちょっと面倒かもしれませんが、シングルでもジェネカーを使えるというメリットを思えば、メリットの方が大きいのではないでしょうか?

或いは、シングルでも操作に慣れて、巻き取らずにでもジャイブをする事は可能です。ただ、舵操作には注意です。この場合はオートパイロットがあった方が良いでしょうね。オートパイロットを使って、いきなりジャイブでは無く、10度づつ落としていくとかして。メインセールの操作もありますし。

シングルだろうが、クルー有りだろうが、メインとジブ、それにジェネカーは何とかして使えるようにはしておきたいものです。セーリングの幅が広がります。ただ、アレリオンのジブブームは、ジェネカー無しでもダウンウィンドを走れます。最も楽ににダウンウィンドを走れる装備です。

ジブブームはメインセールと同じで、ブームがありますから、上りでも下りでも、そのままで使える装備です。ですから、シングルハンドでは、最も操作が容易で、あらゆる角度で走る事ができます。ただ、ジブセールは免責が小さくなりますので、その分、メインセールを大きくしますが、それでも、ジェネカーのセールエリアを考えれば、ジェネカーの方がよりエキサイティングにはなりますので、シングルではジブとメイン、クルーが居れば、メインとジェネカーと使い分ける事も一考かと思います。

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