第二十三話 旅

そうは言っても、やはり旅を好まれる方は多い。そこで、当社としては、この旅をより演出する為に、ちょっと上行くヨットを御紹介しています。ちょっと上行くというのは、大量生産では無い、職人の手による高品質艇です。

年間建造艇数を30艇にしたプロダクション艇です。このぐらいの数ですと、プロダクション艇ではありますが、内容によってはカスタム的に何かを追加したり、変更もする事ができます。一般量産艇が数千という単位で建造しますので、その違いは大きな物です。手のかけ方が違う。

アメリカ東海岸のセーバーヨット社は40年目を迎えました。現在は、ミドルサイズの艇に限定して、建造しています。中排水量艇で、コンセプトはクルージングですが、帆走性能を無視する事無く、その事は、クルージングにおいてもより広い行動を提供するという考え方です。

デザインはアメリカのトラディショナルなデザインを少しアレンジした形。ロングクルージングを想定して、強風にも力を発揮します。そして、日常のセーリングにおいても、セーリングを楽しむ事ができます。

以前進水しました艇には、セルフタッキングジブを採用して、日常ではシングルハンドで乗られ近場でのセーリングを楽しまれています。そして、時にジェノアも持って、付け替えるようにされています。この時は、ウィンチを全て電動にし、メインセールはブームファーラーを採用、つまり、オーナーのいろんなご要望に対して、応えられる場合には、リストに無くても応えてくれます。

 


  ご覧の通り、内装は木を多用、装備も充実
  しています。ロングの旅には、こういうキャ
  ビンが活躍します。

  モデル:386 & 426







さて、もうひとつ。イタリアのコマー社建造によるコメットシリーズ。これも職人によるハンドクラフト艇、年間建造艇数は100艇以下ぐらいです。イタリアのデザインですから、流麗なカーブが美しい。でも、奇抜にならずにイタリアントラディショナルを踏襲しています。

 

セーバーヨットよりも、スポーティーさを感じさせます。イタリア人はスピード好きなようです。トランサムもオープンで、内装もウッディな充実したキャビンです。そして、このコメットヨットはメインシートトラベラーをコクピットに設置しています。これだけでも、このヨットのコンセプトが想像できます。もし、常駐クルーがひとりでも確保できのなら、デイセーリングで高い帆走性能を堪能できますし、また、旅を楽しむ為にも活躍します。
モデル:33、36、38、41、45,51、52RS、62RS(Raised Saloon)

旅には旅の良さがあり、セーリングにはセーリングの良さがあります。どっちが上でも下でもありません。ただ、旅をする方々にも、日常はセーリングをされてはどうか、と思います。その為にも、帆走性能の高いヨットは重宝します。どんな使われ方をするにしても、セーリングがどうでも良いという事は有り得ない、ヨットである限り。そう思います。

という事で、当社のお奨めは、デイセーリングならデイセーラー、セーリングと旅の両方ならコマー社のコメットシリーズ、もっと外洋ならセーバーヨットとコメットRSシリーズ、という具合です。

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