番外編 小型艇

小型ヨットがどんどん増えれば良いと、以前書きました。海外で建造されるヨットには、多くの小型艇があります。日本ではあまり取り上げられませんが、小型艇マーケットは実にでかい。ただ、日本に持ってくるにはコストがかかりすぎ、高くなります。それで入ってくるのは比較的中大型になっていきます。それに、日本での需要が小型は少ない。

どうも、要求が多すぎる感じです。個室トイレが無いのはいかん。これに象徴されます。しかし、もっと気楽に遊べるようにするには、小型が増えた方が良い。それには多くの問題もあります。
小型艇を手に入れたとしても、保管料が高すぎる。維持するのは大変になりますから。

小型艇に関しては、保管費用が安くできて、国内増産があって、誰でも、普通のサラリーマンでも、楽に維持ができる状況があれば、もっと多くの人達がヨット遊びができるようになる。家族で近所をセーリングできれば、家族のレジャーのひとつとして可能になれば良いんですけど。

小さなヨットを家族が楽しむ。ヨットの価格も安く、維持費も安い。そういう状況で、若い家族が遊べるようになると、将来は彼らが大型艇に移行する事もあるでしょうし、その家族の子供は小さい時からヨットに親しんでいるわけですから、将来、ヨットに対する意識は全然違うものになるでしょう。
子供がある程度大きくなってからでは、遅すぎる。ヨットより友達優先になってしまう。

日本のマリーン業界には、そういう事が必要かもしれませんね〜。誰でも、子供の頃に体験した事は体と心に染み付きますから、ヨットに対する違和感は無くなりますね。ですから、全国のマリーナに、例えば21フィートあたりのヨットに対しては、格安の保管費用を提供してくれればと思います。

そして、輸入小型艇は高くなりますから、国産でまかなう。数が多く販売できるようになると、それはそれで大きなマーケットになります。

後は、啓蒙ですね。小型ヨットは気楽に家族で、夫婦で遊べる、しかもあまりお金もかからないレジャーですというのが定着して、ヨット人口を増やす。実際、デイセーリングされる方々の話を聞きましても、ギャレーは殆ど使わないし、トイレも使った事が無いという話は多い。ならば、ポータブルのコンロで良いし、個室トイレで無くとも何とかなるのでは?

ヨーロッパのあるヨット、トイレはバケツ、と聞いた事があります。このあたりは国民性の違いか、日本女性がバケツでというのはちょっと考えられないが、でも、21フィートぐらいなら、トイレぐらいはつけられる。個室で無くても、何とかなる?

それに海外では、小さなヨットではエンジンを設置しないという人も少なく無い。そもそもディンギーにエンジンは無いわけですが、そこまでは言わないまでも、気楽さが違うような。

港の出入りだけに使う小さなエンジンを搭載して、半径数マイル以内を気楽に遊べるフィールドとして、人口が増えるなら、それに伴う商業施設も増えて、全体的な活気を帯び、みんなが活き活きとしてくる。

どうも、ヨットと言うと、クルージング、クルージングというと遠くへ遠くへという意識が強すぎるような気もしないでは無い。遠くも良いが、近くも良い。何週間も、何ヶ月もかけて遠くを目指す人も居て、それより半日を気楽に遊ぶ人が圧倒的に多いという方が自然なような気がします。何故なら、簡単に出来るから。簡単にできる事に多くの人達が集まらないのは不自然でありますね。

ヨット遊びというのが、贅沢という観念があります。そこが原因かもしれません。この不況でヨットの数が減少しています。マリーナの空きバースも増えている。ここは、もっとヨット界の裾野を広げるという事が必要なのかもしれません。そこで、例えば、マリーナの10%ぐらいは、特別バースとして、小型艇に限って、格安料金設定を。全国に広がれば、相当な数のバースが提供されます。
そこに、小型ヨットキャンペーンで、若い家族にセーリングレジャーを。などと妄想しております。

そんなファミリーレジャーにはセーリングの難しさよりも、レジャーとしての楽しさが先ですね。ジブシートとメインシートだけ扱ってセーリングするので充分だし、お弁当持って、ピクニックで良いし、
おまけにマリーナでも遊べれば最高なんですがね。

目次へ