第七十五話 夜間テニス

近くの公園にテニスコートがあります。昼間は暑いので、夜間は毎日一杯であります。夜間でもくそ暑いのに、走り回って、汗かいて、テニスを楽しんであります。多分、昼間仕事して、仕事帰りか、夕方集まってのテニスでしょう。面白ければ、みんなそうやって遊んでいます。

マリーナはどうかと言えば、閑散としている。やろうと思えば、仕事帰りにちょっと遊ぶ事だってできるはず。でも、そうならないのは夜間航行に慣れていないからでしょう。夏は昼間よりも夜間の方が涼しいし、良い。でも、ちょっと怖い。

それで、できるだけ、昼間に近場のセーリングに慣れておけば、同じ海域を夜間でもセーリングしやすくなる。そういう事も考えてみてはどうでしょうか?のんびりしたセーリングでも良いし、夜の涼しさを満喫できる。でも、ちょっと待てよ。夏の花火大会なんかがある時は、かなりの数のヨットが出たりします。という事は、夜間航行に慣れていないからしないのでは無い事になりますね。やろうと思えばできるが、しないだけ。

これは単純に意識の問題かもしれません。夜間に花火があるから行くだけであって、何も無いから出ないというだけ。つまり、何かあれば出れるわけです。という事は、夜間セーリングに何か面白さを創造しなければなりません。昼間とは違う何かを。

ビアガーデンなんて夏には流行ります。ならば、ひとり飲めないのは可哀想ですが、誰かにはノンアルコールビールにしてもらって、納涼ビアセーリングなんてのはどうでしょう。夜間なら涼しいし、また昼間とは違う何かが味わえる。都会の夜景を海から眺めるのも良いかもしれません。

デンマークの造船所のおやじは、ワイン1本持って、ナイトセーリングに行くのが流行ってるとか言ってた事を思い出します。

日本の飲み会は大量に飲む。ビールから始まって、焼酎とかに進んで行ったり。まあ、そこまでは飲まないで、軽く飲む程度で、それこそ仲間や家族との、集いを楽しむのはどうでしょう。夜なら、女性も紫外線を気にする必要は無いし、場合によっては、そのまま泊まる事もできます。泊まれば、これまた涼しい早朝セーリングという事もありますね。

夏はやっぱり、夕方のサンセットセーリングが良いかも?子供とか、孫とかにマリーナで花火で遊ばせる事もできる。夏の昼間は暑いので、やはり、サンセットの何か面白い事を考えるのが良いかと思います。テニス程、しんどいわけじゃなし、夕涼みにはおつな遊び。

ファミリーセーリングなんて無いと思っていましたが、これこそファミリーでサンセットセーリング、そのまま泊まる。そういうコースはいかがでしょうか?週末の夜に。

テニスというスポーツは、自主的に、自分達で計画して、予約とって、夜間にでも、仕事帰りでもやる人は多い。しかし、ヨットは、何かのイベントでも無い限り、動かない。それは何故か?テニスは極めてゲーム性が高いスポーツです。でも、ヨットとなりますと、レースでも無い限り、ゲーム性は薄い。否、ゲームという感覚だけでは捉えられない。ヨットにもゲーム性があります。でも、そこに味わいという感覚も付加しなければならないような気もします。ヨットはゲーム性と味わい。このふたつを携える。サンセットセーリングを家族と楽しむ時、それはゲーム性というより味わいでしょう。これはテニスには無い事かもしれません。

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