第二十話 感激

最近、テレビではよく脳について話題になる事が多いようです。脳に関する学者の登場も多いし、本もたくさん見かけます。ミスターブレインなるテレビドラマも始まるようです。ちょっとした流行のようです。まだまだ未知の部分もあり、謎でもあり、また脳は人を他の動物と分ける最大の要因でもありますから、多くの方々の興味をそそるのでしょう。

それで、私もつい最近一冊の本を読みましたが、それによりますと、人にとって必要なのは、意欲、それを維持する為には感激する事が多いに役にたつそうです。頭脳は衰えるどころか、生涯進化し続けるし、感激する度に活性化されるそうです。

感動と言いましても、大きな感動、小さな感動、感動とまでは言わなくても、様々なフィーリングを感じる事が活性化に繋がるようです。脳が活性すれば、肉体にも影響し、若返り、免疫力も高まるとか。兎に角、常に脳に新しい何かを経験させる事らしいです。

これは所謂、チャレンジですね。新しい何かを体験しますと、感激し、脳が活性化され、でも、二度目はこうはいきません。それで、小さくても何か新しさを発見する能力が必要らしいです。同じ体験をしても、人によっては、新しい何かを見つける人も居れば、そうで無い人も居る。新しい何かを発見すれば、意欲が湧き、それがまた新しい何かを発見させるのでしょう。

違う何かを感じる事。それが生きる意欲でもあるらしい。その気にさえなれば、日常の中にもいろいろな発見がある。まして、セーリングなんかしていますと、新しさの宝庫かもしれません。人は最低限自分自身を幸福にしなければならないと思っています。その自分自身の真の幸福はどこにあるのか?そこはじっくり考える必要があります。 意欲をもって、新しい何かを発見し、心を揺さぶる事もひとつかと思います。そういう感激を、他と分かち合う事も、それを増幅させる。なる程、こうか、と新しい知識を得るのも感激になる。それこそ生きる証のようなものでしょうか。

セーリングを意識して走りますと、微妙な変化など感じる事があります。知識と技術を行動において実践し、感激を得る。最高のパターンです。行動に出ますと、いろんな事がありますが、いろんな事があるという事は、それだけ心が動く要因があるという事でしょうから、良いわけです。要はそれをいかに、マイナス方向に持っていかないか。気の持ちようと言いますからね。ですから、スプレー浴びて大笑いができると実に良いわけです。

感激と言いますと、良い事だけのように思えますが、多分、そうでは無く、心が動けば良いのではないかと思います。その事の内容に拘わらず、いかなる事も感じて、心が動けば効果があるのではないかと思います。ただ、マイナスの事は人を萎縮させ、次の行動が出なくなる恐れががありますが、それさえ乗り越える事ができるのなら、どんな出来事も、そこに心を動かす何かがあれば、効果があるのではないかと思います。

セーリングしながら、知識と技量を進化させながら、観察力を養い、感じる事を意識し、意欲をもってあたる。理想的ではないでしょうか?そういう人は長生きでもあるらしい。ボケもしない。日々、新しい何かを見つけ出すよう、それもそういう意欲を持つ事が必要だそうです。これ、ひょっとしたら、高齢化社会に良いかもしれません。老後はセーリングで遊ぶ。これが高齢化社会の健全化におおいに役立つ。健康増進で、医療費節約にもなる。そうなると国家として推進した方が良い。60歳以上のヨットマンには減税を!或いは、年金をもっと!今度の衆議院の選挙には、そういう人出てきませんかね?日本は世界一の高齢化社会だそうですから、世界のモデルになります。このくらい思い切った事しないといけません。幸福な老人が住む国は素晴らしい国です。若い人だって、いずれは老人になりますからね。

感動し続けると、そういう意欲を持つと、感動する脳の回路ができるらしい。という事は逆もある。
豊かさとはこのあたりにありそうな気がします。そして、感動は心に空白を作る事だそうです。頭が何かで一杯なら、そういう事は無い。空白を作る。

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