第八十二話 男と女

時代がどんなに変わっても、変わらないのが男女の関係。昔も今も、互いに相手を気にするし、恋愛映画もいつもある。歌なんかも多くは愛の歌。いつも、みんな互いの異性を求め、気にかけ、そのうえでいろんな事をしてます。

さて、ヨットは女性として扱われます。英語では彼女という代名詞が使われますし、スペイン語やイタリア語とかは、全てに男性名詞、女性名詞があって、ヨットは女性なのです。それででしょうか、ヨット乗りには圧倒的に男が多い。

女性も、結婚して奥さんになると感じ方が変わりますね。でも、変わらねばなりません。また、男は浮気者で、結婚しても他の女性が気になる。まあ、女性も同じかもしれませんが。実際に浮気するかどうかは別の話ですが。それで、ヨットは女性で、まあ、極々軽い浮気みたいなもんかもしれません。ヨットは女性ですが、恋人みたいなもんです。でも、ヨットですから、許して頂きたい。

考えてみれば、女性、恋人なら、どう対応するでしょうか?ヨットも同じではないかと思います。魅力あるヨットを見つけた。それを購入した。そのヨットをどう扱うか?恋人ならきれいで居てほしいと思います。やさしくもしたくなる。時々、プレゼントなんかして、気を引きたくもなる。そうだとするなら、ヨットもクリーニングして、きれにしておきたいし、時々、プレゼントするようにメインテンスをきちんとしたい。一緒に、時々遊んでやらねば拗ねてしまいますね。ヨットも時々拗ねます。それはオーナーがやさしくないから、ほっとかれているから拗ねているんです。

恋人ですから、何でもかんでも設置して、便利にしてはいけませんね。便利になったら、面白味が無くなって、遊ばなくなるからです。適度に我侭言われるくらいが丁度良い。過ぎると困りますが。
ヨットの機嫌を取りつつも、魅力あるヨットで、一緒に遊ぶ。そうなると、シングルハンドでも良いわけです。寂しくありませんね。彼女と一緒ですから。そうやって可愛がって、デートセーリングなんかしてみるのも悪く無い。

普段は快適生活を求めつつも、何か他の事をしようと思う時は、快適さばかりを求めては面白味が無くなります。例えば、山登り。快適だからと言って、ロープウェイで上ったのでは意味が無いのと同じですし、上った感覚は全く違います。ですから、ヨットも我慢ではありませんが、ほどほどにというところ。便利さ一杯は、面白くなくなります。奥さんにしても、便利感が出てきたら、要注意。危険であります。女性から見ても、だんなが便利な稼ぎ手と感じてきたら、同じ事。便利は快適生活には実に有難いのですが、過ぎると危険でもある。離婚の危機?ヨットも同じでしょう。

ですから、女性には常に美しくあってもらいたい。ヨットも美しくあってもらいたい。魅力を常に発していてほしい。それでも、浮気心が出てきます。女性がきれいな服に魅力を感じたように、男は美しいヨットに魅力を感じる。これも立派な浮気です。この程度なら許せますね。それで、浮気相手には気を使いましょう。そうやって意識しますと、ほったらかしなんてのはできません。相手はどんどん拗ねて、しまいには醜くなる。壊れてしまう。それではいけません。浮気相手は大事にしましょう。そうしたら、本妻の奥さんにだって、大事にしたくなります。奥さんも大喜び? 家庭円満です。
奥さんもヨットで遊んでばかり、と怒ってはいけません。家庭円満の秘訣ですから。怒るとぶち壊しです。女性が化粧品や服や宝石に魅力を感じるのと同じなのですから。互いに許せるところは許しあって、円満、円満?

彼女にするなら、どんな彼女が良いでしょう?好みのタイプは?じゃじゃ馬、おとなしめ、美女もいろんなタイプがあります。彼女にするなら、一対一の方が良い。こっちがクルーを引き連れてでしか相手できないようではいけません。たまには、みんなで遊ぶのも良いのですが、やはり基本は一対一。そして、彼女の容姿は気に入った。今度は、彼女と対話しながら、性格を見極める。良いところばかりではありませんね。欠点も必ずありますが、その欠点さえも気にならない。あばたもえくぼ。欠点さえも笑って許せるなら、相性バッチリです。欠点と見るから欠点であり、単に性格の一部と見れば、どおって事はありません。しかし、タイプは合っていなければなりませんね。基本さえ合っていれば、後は愛するだけです。完璧を求めるときりがない。大事に愛せば、向こうもそれに応えてくれる。

年に2,3回しか合わないなら、もはや彼女とは言えませんね。向こうは拗ねて、拗ねて、そのうち壊れてみせて、オーナーを困らせる。しかも、肝心な時に。彼女が悪いわけではありません。ほっといたオーナーのせいです。ほっとかれるのは誰でも嫌です。でも、構ってくれるなら、精一杯応えてくれる。従順さを持ちます。おばさんになっても、きれいで居てくれる。そこまで愛せば親密な関係になります。知り尽くした関係?そこに波や風と対峙すると、彼女はオーナーの強い味方。こうなったら、面白くてたまらなくなります。彼女を敵に回すと、風と波と彼女にも対応を迫られる。3対1では負けてしまいます。彼女が味方なら、2対2、そうなると風と波に戦うのでは無く、美しいハーモニーを奏でる事ができるかもしれません。オーナーと彼女の親密度が高い程、そうなるでしょう。これ程美しい関係は無い。

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