第五話 ちょっと突っ込んでやってみる

遊びですから、どうでも良い。自由に楽しければ良いわけですが、でも、ちょっと突っ込んでやってみるというのも悪く無い。10年とか20年もヨットやるとしたら、かなりの積み重ねです。ただ何気なく乗り続けるのでも、もちろん良いわけですが、でも、ちょっと突っ込んでやってみると、それなりの面白さがあると思います。

セーリングというのが特殊技能です。ある程度ならすぐに乗れるようになります。それを、もう少し先に進む事によって、セーリングはそのものを遊びとする事ができる。ただ走るというより、さらにもっと面白くなります。風を感じる気持ちの良さもありますが、いかに自分が動かしているか、舵の切り方からセールのトリミングまで、より詳しくなってみても良いんじゃないかと思います。

シートを少し出したからと言って、そう大きくは違わないのでしょうが、でも、その微妙さが意識して乗り続けると解るようになる。そうなるのは進歩ですから、人は向上すると面白くなるわけです。是非、タッキング時の舵の切り方、角度、タイミング等も考えて見ます。あらゆる動作には、理由を考えて動かす。そうこうしているうちに、いろんな事がわかってきます。同時に、自分の感性も、それに伴う鋭さが磨かれていくと思います。それが面白さとなると思います。

すると、ヨットに対する見方も変化します。ヨットの面白さは一体どこにあるのか?それが変わってくる。セーリングが解ると、意識しますから、うまくなる。うまくなると何が違うかと言いますと、無駄な動きが少なくなる。すると、楽にセーリングを楽しむ事ができる。肉体的にも精神的に楽になれる。楽になれると、さらにまたいろんな事が楽しめる。

ヨットを楽しむか、セーリングを楽しむか?せっかくのヨットですから、是非セーリングを楽しんで頂きたいと思います。セーリングはエキゾチックで、特殊な技能、誰でも持っている技能ではありません。そこに少しでも精通するというのは、結構面白い。

昔はただ所有するだけでもステータスになったかもしれませんが、セーリングに精通していくのも、さらにカッコイイわけです。そうしていくと、きっと感性が磨かれていきますから、自分の感性をも遊ぶ事ができる。鈍感なら、どんなヨットに乗っても解らないかもしれません。でも、磨かれた感性は、違いが解る。違いの解るヨットマンです。自分がそうなれたら、これは面白さが深くなる。

これには際限がありません。永遠に上達できます。もっと滑らかに、もっと速く、風の取り入れる量、波、それらの違い、組み合わせは無限ですから。ヨットは簡単なレベルから難しいレベルへと無段階にありますから、セーリングを楽しむには、このレベルを少し上げる事が必要なのではないかと思います。そうしますと、それまdれのセーリングとは違うセーリングを楽しめる。感性のレベルも向上します。すると、受ける感じも違う。世界が違う。面白さが違う。

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