第四十三話 東京ー福岡

両都市間の距離は飛行機で1時間半、福岡空港からマリーナまでは地下鉄で20分の距離です。以前も提案した事があるのですが、ある東京の方がヨットを購入、福岡に置くそうです。関東のマリーナの保管料を考えれば、福岡においといて、飛行機で通っても経費としては安くあがる。

実は、釣り目当てのボートオーナーは結構こういう事をされている方が多く、熊本あたりのマリーナには関西、関東のオーナーが多いようです。長崎のハウステンボスにも関東のオーナーがたくさんおられます。それに以前、沖縄に置いては? という提案もしました。

理由は経費だけには限りません。九州あたりは、島が多いし、クルージングには関東あたりよりも環境は良い。それに、しょっちゅうは来れないにしても、まとめて休みを取ってくれば、かなりたっぷりバケーションを満喫できます。こういうやり方も面白いと思います。

ある方は、次々に場所を変える方もおられました。気に入った期間、半年とか、1年とか置いといて、その近辺を遊んだら、次に場所を変えて、また半年なり、1年なりを別な場所に置く。その場所には飛行機で通うそうです。一気にどこか遠くまで行くのは大変ですから、時間をたっぷりかけて、転々としながら、少しづつ移動していくそうです。各地をたっぷり遊べるし、自分がそこにずっと居なければならないわけでは無いので、気は楽。管理にしても、現地の人達に任せていくわけです。
発想さえ変えれば、面白いやり方はいろいろあるようです。

結構、こういう方々は多いようで、瀬戸内海の島々を楽しんだり、九州、沖縄を楽しんだり、考えようによっては、東京ー福岡間の距離なんてたいした事は無い。何しろ、飛行機ですから。ヨットで行こうと思うと大変ですが。

あるアメリカ人はフランスに置いてるという人も居ましたね。スケールが違う。考え方が違います。
家族にしても、そういう機会がありますと、楽しみになります。自宅近くにおいて、しょっちゅう行く人はそうは行かないと思いますが、年に数回とかしか行かないとか、ほったらかしとか、そうなってきますと、仮に九州なんかに置きますと、意外と面白さが出てきて、近くに置くより乗る回数が多くなるかもしれません。それでも、経費は安くあがる。旅行もできます。ヨットべったりになる必要も無く、温泉なんかも考えられます。ある北海道の方ですが、大分においておられました。別府や湯布院の温泉があります。クルージングも楽しめるし、魚もうまいとか。そう言えば、大分も空港からすぐ近くにマリーナがあります。

関東の方が2時間もかけてマリーナに行くという事もあると聞きます。それならいっその事、九州なんかはどうでしょう。日帰りは無理にしても、2泊3日程度、最低あれば、それなりに遊べますね。
いつもとは違うロケーションをセーリングしますと、また気分は新たになります。遊びでも、何でも自分で演出しないと、いつの間にか、面白さが減少していきます。特にヨットという乗り物は、オーナー次第というところがありますから。

自分が好きな場所に置く。関東や関西の方だからこそできる発想かもしれません。不利は発想さえ変えれば、有利になる。福岡の人は東京には置けません。東京を基準に考えれば、地方は全てが安いのです。仕事は東京、夏は九州で海遊び、冬は北海道でスキー?

あるニューヨーカー、ビジネスはニューヨークで、ヨットはフロリダで、もっと余裕のある方は、回航屋さんに頼んで、自分の好きな場所に回航させて、自分は飛行機で飛ぶ。そんな人も居ましたね。

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