第九話 米国市場

2007年におけるアメリカ市場のヨットのデータがあります。20フィートから40フィートまでのサイズでは2,284艇、41フィートから45フィートまでが、609艇、46フィート以上は249艇、合計で
3,142艇が2007年に新に進水したそうです。ちなみに、20フィート以下は11,265艇だそうです。全体的には前年に比べて約5%のダウン、しかし金額ベースでは、46フィート以上のサイズが伸びて(2006年は104艇)6%の伸びだそうである。

日本市場とは比較にはなりませんが、ちなみに日本のヨットの年間進水艇数は120ぐらいですので、約26倍であります。まあ、比較しても何の役にも立ちませんが、せめて今の5倍から10倍ぐらいはニューヨットが増えてくれると良いですね。造船所はそんな事はつゆ知らずか、プレッシャーをかけてきます。それでいつも日本のマーケットについて説明するわけです。海外から見ますと、日本はお金持ちの国、海岸線も長い。よってヨットが売れないはずはない。ちなみに、プレジャーボート&ヨットの世界で二番目に大きなマーケットはイタリアなのです。イタリアにもいくつかのヨットビルダーが居ますが、多くは国内消費と、ヨーロッパ、アメリカにもそんなには多く輸出していない。第一、イタリアは職人の国で、大規模の造船所が少ない。アメリカにまで回す必要が無いというか、余裕が無いというか、そんなにたくさんは造っていない。それで、結構高品質のハンドクラフト艇です。イタリアのヨットは量産しないだけに品質は高いのです。

アメリカ市場は2008年には、もう少し下がるような予想がなされている。経済的不況、不動産の例のアレの影響などもある。日本はと言いますと、これまた不況と言いますか、今一。でも、そんな経済的理由もありますが、日本の場合は、ヨットに対する楽しみ方が少しまだ慣れていないような気がします。使い方にまだ模索しているような。新規でヨットオーナーになられる方々がどんどん入ってきてほしいのですが、その為には、今ヨットを持っているオーナーの方々が、どんどん楽しんでもらう必要があります。ここのところが今一なんですね。

ヨットをどうやって遊んだら良いか?どうやったら楽しいか?面白いか?小型ヨットの普及があって、小型だから乗りやすく、手に入れやすく、やがてはそういう方々が大型化していく。アメリカでも20フィート以下が年間1万艇も売れているわけです。土台がある。しかし、日本の20フィート以下は少ない。せめて25フィートぐらいがどんどん売れるようになる必要があるかもしれません。しかしながら、国産は少ないので、輸入に頼る。でも、輸送コストがかかって、サイズの割りには高くなる。なかなか難しい。という事は国産ビルダーがたくさんのこういうヨットを造って売れれば、良いような。

まあ、それにしても、こういう小型のヨットの面白さをもっと考えなければなりません。考えてみたら、気楽に遊べるサイズです。それこそデイセーリング。そう、デイセーリングをもっと流行らせて、小型サイズを増やす。すると、やがては大型も売れていく。デイセーリングをもっと遊びましょう?

まあ、それは兎も角、小型ヨットは結構面白い。セーリングをスポーツするのには良いと思いますね。小型で、高いスタビリティーがあって、性能の良いヨット、でも、海外から持ってくると高い。どうしましょう?

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