第九十九話 気軽さを持って
| 舐めてるわけじゃありませんが、もっともっと気軽にセーリングが出来ればと思います。自転車のサイクリング感覚程度です。ちょっとそこまでという感じです。たいした準備も無しに、ぶらっと行く感じでセーリングができるようになると、とっても良いと思います。この場合、何も達成感はありません。どこか遠方に行くような、達成感はありませんが、こういうぶらりセーリングができるようになると、すごい事にはなりませんが、日常の平均レベルが少しだけ上がるような気がします。 何か大きな事にチャレンジする事無く、気持ちが良さそうだから、ぶらりと出るその気軽さが何より重要ではないかと思います。出たら、波が高すぎた、ならば帰ります。風が止まった、ならば帰ります。そして、また今度。 そんな風に気軽に乗っていれば、そのうち全てが整う時が来るでしょう。最高のセーリングができる時が来ると思います。そしてそれを充分楽しんだら、また今度。 そうこうしているうちに、何年か経ちますと、いろんな経験が積み重なってきます。コクピットに座る感覚のお尻が馴染むし、舵を持つ手が自然になる。風に対する反応も無意識にできる事も多くなってきます。自転車感覚ですね。 たいそうな事はしない。まるでジョギング感覚、スイスイ走る事もあれば、ゆらゆらもあるでしょう。でも、いつも気軽です。マリーナに来て、さっと出れる。気負いも無く、何か自慢できる達成感も無く、でも、体に染み付いたヨットの感覚は人馬ならぬ、人艇一体です。 外洋に行く知識も無く、度胸も無い。それでも、気軽さを持って、ぶらりと出かけられたら、その方が楽しい。遠くの温泉にも行けない、そこでのお風呂とご馳走にもありつけない。でも、気軽さセーリングが身に付いた方が楽しい。大きなイベントは無いが、日常の平均レベルが少し上がったような気がします。 そんな乗り方にあこがれます。 |