第四十八話 ジブとメイン
| 大きなジェノアとメインセールを持つヨットの場合、登りは良いにしてもダウンウィンドの場合、ジェノアがあまり有効に使えませんので、スピンかジェネカーを使わないと帆走効率はかなり悪くなります。皆さん体験済みでしょうが、効率が悪いどころか、退屈にさえなることがあります。クルーが居れば、スピンなど使う事も可能ですが、実際、クルージング艇においてはスピンやジェネカーが使われているケースは少ないのが現状です。元々、ジェノアはダウンウィンド用のセールとは言えません。かと言って、スピンなどは簡単には使えない。 同じジブとメインで走るのなら、メインセールの大きなヨットで、ジブが小さいというコンビネーションの方が、まだましだという事になります。メインセールはブームがあるので、ダウンウィンドでも広がってくれます。メインが小さければ効率も落ちますが、メインが大きければ効率は上がる。ジブは同じように効率は良くないので、トータルセール面積が同じなら、ダウンウィンドになると、メインセールが大きい方が効率は良いという事になります。 最近のレーサーでも、オーバーラップの無い小さなジブと大きなメインの組み合わせが多くなってきました。レーサーですから、スピンをはりますが、この時、やはりメインセールが大きいので、ダウンウィンドではより速いという事になります。 ジブが小さく、大きなメインはマストがフラクショナルリグで、Jの長さより、Eの長さの方が長い。外洋に行くような場合は大時化時も考えられますので、フラクショナルのスウィングスプレッダーで、ランナー無しよりも、これに大時化の場合だけランナー使う方が安全でしょう。或いはトップリグですね。でも、通常のデイセーリングから沿岸でのセーリングにおいては、こういうフラクショナルリグで充分ですし、その方が面白いのではないかと思います。 それで、お奨めはフラクショナルリグ、小さなジブに大きなメイン、これにジェネカーでも使えあればグッドでは無いでしょうか。フラクショナルリグですと、バックステーアジャスターが使い易いし、コントロールもし易くなります。それで、デイセーリング時にはそういう遊びをして、帆走を遊ぶ事をお奨め致します。もちろん、メインシートトラベラーはコクピットにある方が良い。最近のデイセーラーはみんなこういう仕様になっています。 つまり、いかようにしてセーリングを遊ぶか、遊ぶにはどういう仕様、艤装が良いか、各社の共通点がこういう風になってきたわけです。もちろんシングルも想定しています。 |