第72話 あるペンションオーナーの話

ちょっと昔ですが、正月に家族で阿蘇のペンションへ行った事があります。その時、客は
我々だけだったので、商売にはならなかったと思いますが、オーナーとじっくり話しをする
機会を持つ事ができました。

済みませんね、うちだけの為に。いえいえ。オーナーは脱サラで約1万坪を購入して、この
ペンションを建てたそうです。山の中にありますから、周りは自然だけですね。曰く、この山
の中という何にも無いところにわざわざ来るのですから、自然を満喫してもらいたい。そう思
っておられたそうですが、結局、テニスコートはあるか、温泉はあるか、乗馬施設、自転車、
その他、いろいろな遊戯施設を訪ねられるそうです。これが無いと客は来ない。うちも他に
ならって、少しそういう施設を作りましたと言われていました。

そして客の殆どが昼間は車で町におりて遊んで、夕方帰ってくる。そういうパターンだそうです。
山の中を散歩したり、釣りしたり、そういう人は居ませんね。夕食と宿泊だけをしに来られる方
が殆どなんです。それなら、こんな山の中じゃない方が良いのでは?とのこと。結局、皆さん
夕方頃に少し疲れてかえってくる。そう言えば、先日来られた初老のご夫婦は、町へはおりずに
山を散歩したり、ベランダで日向ぼっこしてたりされてましたね。例外です。でも、そういう人達
の方が元気に帰っていかれるように感じます。

ここに小学校の子供が居ました。違法ですが、小さなバイクを乗りまわし、非常にたくましい。
地元警察も黙認だそうです。乗馬もうまいとか。いきいきとしてますね。環境がそうさせるので
しょうが、自然の中で育った子供は元気がいい。


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