第七十四話 艤装

外洋となりますと、マストもスタンディングリギンもちょっと太め、丈夫な物を使うでしょう。これが良いのになるとロッドリギンなんか使います。見た目はそう変わらないですが、良く見ると違いがある。フリーボードは当然ながら低い方が良いし、バラストだって重い方が良い。最近のヨットは、高いフリーボードで、バラスト比も30%以下というのも出てきましたので、こういうのはどうかと思います。コクピットも広いのは皆で座って、一見、良さそうですが、時化られると広いのは困りものです。
適度に狭く、深いのが安心できます。

ロングの場合、燃料の節約をしなければなりません。従って、基本的にはセーリングをする。たまにエンジンを駆けるのはバッテリーの充電ぐらいでしょうか。最近のヨットはみんなジブファーラーになってますから、ストームジブを上げるには、一旦下ろさなければならない。これをしなくて良いようにするのがあります。巻いたセールの上からストームジブを上げる事ができる。ATNという会社から出てます。或いは、ジブの手前にもうひとつインナージブを展開できるようにしておくのも良い。
ジェノアとこのインナージブとのコンビネーションで、時化に対応できます。

セールはタッキングなどはあまり必要が無い。セールコントロールもそう細かくやるという事も無いでしょう。そうなら、メインのトラベラーもコクピットで無くても良い。でも、直進性はほしいです。舵もそれ程敏感である必要性も無いでしょうが、できるだけ真っ直ぐ走ってくれると、助かります。これはヨットのバランスの良さに関係してきます。

ロングとなると、荷物もたくさん積む事になりますから、排水量は少なくとも中排水量程度は必要でしょう。軽いヨットでは荷物をたくさん積むとかなり影響を受ける。積載量に影響されやすい。その点、重排水量はキャパシティーが大きくなる。また、居住性も必要ですね。冷蔵庫もほしくなるし冷凍庫なんかあると便利です。通常のでは無く、エンジンドライブの冷蔵庫というのがあり、2,3時間程度回しておくと、後は切っても丸一日冷えてるという優れものです。こうなると、ステーキだって冷凍しておけば食べれます。食事は非常に大切ですね。これが楽しみとなる。

清水はできればフットポンプ、電動は水を使い過ぎる。節約、節約、そして海水のフットポンプを別に設置して、食器洗いは海水で、最後のすすぎを清水でする。また、シャワーだって、海水を使って最後に清水でリンス。そういう事もある。海水から清水を作るウォーターメーカーがあれば良いですが。

後は電気をどうするか?発電機があれば良いし、或いはソーラーパネル。ウィンドジェネレーターという手もありますが、あれはある程度風速が無いと発電量が少ないようですし、それにブンブン回るとうるさい。

まあ、外洋に出るというのは結構大変な事です。その規模にもよりますが。

 同じ外洋性のあるヨットでも、左の写真はもっとスポーツ
 性を持たせたヨットです。ロングキールの重排水量のヨ
 ットから、フィンキールを持ったもう少し帆走性能の良い
 ヨット、さらに、もっと帆走性能を高めたヨット、同じ外洋
 艇と言っても、少しづつの違いがあります。

 

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