第二十七話 チーク塗装

ヨットの外装におけるチークは、いつもきれいにしておきたいもんです。木部がきれいか、そうでは無いかによって、見た目の印象は大きく異なります。年式が古くても、チークがきれいであれば良く見えるし、船齢が若くても、チークが汚いとかなり程度悪く見える。そこで、どういう手入れをするかですが、何も塗装しない。チークオイル、ニスなどが考えられます。

何も塗装しないのもひとつの手ですが、汚れに対する掃除をこまめにやる必要があります。これはオーナー次第ですね。チークオイルは古いチークにオイル分を含ませてやるのは良いのですが、汚れがつきやすいのが欠点です。次にニスですが、ハンドレールやトウレールにはニスを何層も塗って厚くすると、高級感も出て、非常に美しいです。でも、きちんとメインテナンスをしないと、ニスがパリパリはがれてきます。そうなると非常にみっともないし、今度塗る時は古いニスを全部きれいに剥がしてやらないといけません。これが大変な作業です。それにチークデッキにはすべるのでニスは塗れません。

それで何が最も良いか? 最近の経験から言いますと、CETOL MARINEというのがあります。日本でも簡単に手に入ります。これを見ますとOIL VARNISHと書いてあります。VARNISHはニスですが、ニスのように表面に膜を形成しチークを保護しますが、ニスのように滑らない。という事で、チークデッキにも塗装できます。それにニスのようにパリパリはがれてこない。層が薄くはなってきますので、その時は汚れを落として、重ね塗りができます。ニスのようにサンディングは不要です。
という事で、簡単にメインテナンスができるので、なかなか良いです。

塗装例です。一見するとニスを塗ったように見えます。マスキングテープでしっかり準備をする。FRPにはみ出した場合はすぐにふき取れば取れますが、乾いた場合はシンナーで拭けば取れます。

1回塗装でも良いし、2回程度でも良い。せいぜい2,3回まで、あまり厚く塗りますと、せっかくの木目が消えてしまいますので、理想は2回程度でしょうか。この形成された膜が保護になって汚れにくくなりますし、使っている間に膜が薄くなってきたら、その上からまた塗装できます。ニスのように剥がさなくて良いし、割れてきません。

今の所最もお奨めです。

作業は簡単、そのまま刷毛で直接塗るだけです。天気の良い日に、ぺたぺた楽しみながら塗る。どんどんきれいになっていきますので、これもヨットライフのひとつとして、やってみたらいかがでしょうか。

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