第九話 セルフドレーニングコクピット

コクピットの床の高さは海面よりも高い。で、コクピットに入った雨水が自動的に外に流れ
出ます。当たり前なのですが、デンマークのノルディックフォーク25は標準ではコクピット
の床は海面より下にあります。それでけ低いのです。造船所はこの方が絶対良いと言い
ますが、先日小型船舶に行って相談しますと、これだと日本の検査では平水しか取れない
と言われました。25フィートとは言え、平水では困るので、瀬戸内海は平水ですが、床が
水面より高いセルフドレーニングで発注しました。

このヨット、25フィートなのに、大西洋を横断した人も居るし、世界一周した人も居る。でも、
日本の検査ではセルフドレーニングしか駄目なのです。(限定沿海以上)。ちなみに、ヨー
ロッパの人達は乗らない時、雨がたまらないようにコクピットカバーをしている。まあ、多少
溜まったら、ビルジポンプで出す。おおらかです。それより、低いコクピットの方が良いそう
です。乗って良いのでしょうね。安心なのでしょう。



上の写真が、ノルディックフォークのセルフドレーニングコクピットです。まあ、これでも低い
深いコクピットです。ついでながら、左端に見えている木製の四角いのが船外機のブラケット
これはコクピットからロープを引くだけでブラケット(船外機)が引き上げられるシステムなん
です。それと面白いのが、真っ直ぐ立っている棒ですね。ブームを支えているんですが、上部
形状が平たいでしょう、これパドルになるんです。ヨーロッパではエンジン無しという人も居る
ようで、その時パドル使って出るんでしょうね。それともうひとつ、ユニークなのでが、ウィンチ
です。このウィンチ、トップにハンドルをつける穴が無い。それでどうなってるかと「言いますと
ウィンチの真下にハンドルが固定されているんです。ウィンチを上から回すのでは無く、下か
ら回す。それで普段邪魔にならないので、固定なんです。これ、なかなか良いです。

次へ      目次へ