第七話 入門用?

良く入門用に最適とか言う言葉がありますが、入門用ヨットって何でしょう?小さい
ヨット、安いヨット?まあ、確かに、いきなりでかいサイズでは初心者には難しいと
は思いますが、小さければ良いというものでも無いでしょう。

最近、ある楽器を始めました。実は、あるヨットオーナーにもらったのがきっかけ
ですが、この世界にも入門用というのがある。安くてセット価格、でも、専門家に
言わせるとそういうのはやめとけと言います。何故なら、品質が悪いのが多い、
良い音が出ない、音程が安定していない、音が出しにくい。そういう事だそうです。
そうすると、初心者にとっては挫折してしまう可能性が高いのです。より苦労する事
になります。

ヨットでサイズはともかく、あまり宜しくないヨットに乗って、あまり良い感じを得る事
ができなかったとしたら、やっぱりやめようかな、と思うかもしれない。やはり、楽器
と同じで、最初にグッドフィーリング、扱いやすさ、安定性の良さ、こういうのを味わ
って、何てヨットは面白いんだと思ってもらわなくちゃいけません。ですから、小さくて
も、重心の低い、性能のある程度は良いヨットに乗った方が良いのでは思います。

某ヨット、入門艇とか良く言われますが、腰は弱いし、かえって知ってる方なら良いか
もしれませんが、初心者にはどうだろうか。そう思う時があります。価格も安いし、
キャビンもそこそこあって、個室トイレがある。それで初心者には良いというのは可
笑しい。まずは最初に、ヨットの最も良い部分を味わってもらいたい。それでもっと
知って、次にステップアップしてもらいたい。つまり、セーリングがし易いヨットが良い。

良い楽器は楽に良い音が出せる。良い響きを得ると練習していて楽しくなる。それが
安かろうで入門用にすると、音楽の楽しさに行き着く前に挫折してしまう。それと同じ
でしょう。ヨットは安い買い物では無いので、価格は重要ですが、良い物は一生使える
高く売れる。乗って安全、扱いやすい、性能が良い、バランスが良い。そういう良さを
味わっていただきたいです。そういう良いヨットは結局、初心者だけでは無く、ベテラン
にも良いのです。だから、あえて言うなら、入門用というヨットがあるわけでは無く、でき
るだけ性能の良いヨットにしていただきたい。この時キャビンの広さとか、そういう事も
大事でしょうが、欲張らない方が良い。先々、慣れて、キャビンをでかくしたいなら、
サイズを大きくする事です。同じ長さでキャビンがでかいと、不安定になるのは当たり前
です。

つまり、入門用というヨットは無く、あえていうならサイズです。良いヨットは入門者にも、
ベテランにでも、誰にとっても良いのです。小さいから入門用という事では無いと思う。

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