第三十一話 お蔭様で

今年も後わずか、お蔭様で今年はたくさんのご縁を頂いて、良い年でした。
セーリングギヤに関しても、新しいシステムのファーリングジェネカーや前話
のジブブームにも出会えました。世界の誰かが考案して、造ってくれています
ので、そういうギヤに出会えて、ご紹介できたのも幸運だと思います。まあ、
たくさんは売れませんが、そういうギヤの採用で、少しづつですが、セーリング
をいかに楽に、楽しく、効率良く帆走できるかが見えてきます。私の周りでは
少しづつですが、セーリングそのものを楽しんでおられる方が増えてきました。
これも良い事でしょう。結局、腕が良いか悪いかなんてのはあまり関係が無い
ようです。上達していく過程を楽しむというのが最も良い方法ではないか、それ
に対して、ヨット、ギヤ、そういう物が手助けしてくれる。あり難い事です。

どんなヨットにどんな艤装を施していくか、それを考えるのも楽しいものです。
ただ、便利だからと言って、何でもつければ良いというものではありません。
本当はどんなに面倒でも、何も無いシンプルが最も良いのかもしれません。
大変な作業を何とも思わず、どんどんやれればそれに越した事は無い。でも、
人間、そうはいかないもので、面倒過ぎると乗るのが億劫になりますから、そこ
をちょっとしたギヤで補って、より快適になれば良い。でも、これが過ぎると、便利
過ぎて面白味に欠けてきます。程よいバランス、良い加減が必要ですね。

セーリングギヤは日本で発明されるものは殆どありませんが、いつかヨット文化
が根づいて、日本のセーリングスタイルができてくると、その中から新しいギヤが
生まれてくる事もあると期待しています。私は日本での乗り方は近場のセーリング
が中心となって、そこを気楽に、自由自在に楽しむというのが最も合っていると思
いますので、そこから何かが生まれればと思います。その最もシンプルなベースに
あるのがシングルハンド、デイセーリングにある。ふたり居ればたいていの事は
できますが、ひとりとなるとそうはいかない。いろんな工夫が必要になります。遠くに
いくとなるとセーリングというより船旅になりますので、やはり近場こそが、セーリン
グを楽しむ基本となる。

お蔭様でこのホームページにも13万件以上のアクセスを頂きました。その中では
シングルハンドのページへのアクセスをたくさん頂いていますので、多くの方々が
こういうスタイルに興味を持っていただいていると思います。船旅はシングルでは
寂しいですが、デイセーリングでのシングルはこれはこれで自由自在を目指す別な
楽しみがあります。来年は、もっと充実した情報をお伝えできれば幸いです。是非、
自由自在のセーリングを目指して、かっこいいセーリングを楽しみましょう。

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