第十一話 ピュアスポーツヨット

イタリアのブレンタ38、このヨットは典型的なスポーツヨットです。ハイテクを駆使し、
シングルハンドを可能にし、純粋なスポーツに割り切った見事としか言いようの無い
ヨットに仕上がっている。ここまで割り切れるなら、最高のセーリングが簡単に味わえる

 

いつも言いますが、非常に低い重心を実現、バラスト比51%、フリーボードも低い。
船体にはカーボンを使い、マストもカーボン製、実は、このヨットのすごい所は他に
あります。ジブはファーリングのセルフタッキングですが、これは珍しくも無い。でも、
油圧を使ったシステムで、ステアリングのポジションから、ジブシート、メインシート
メイントラベラーを左右に動かすシート、バング、これらが全て、ボタンひとつで操作
できるようになっています。もちろんハリヤードウィンチは電動です。

つまり、エンジンでマリーナを出航、ここまでは同じ。でもセールを展開するには、メイン
ハリヤードは電動でボタンで上がる。ジブセールはボタンで開く。セーリング中は、ジブ
シートを引いたり、出したりがボタンでできる。また、メインシートも同様、トラベラーを
左右に動かすのにボタンでできる。つまり、ステアリングを握ったまま、そのポジション
でトリミング簡単にできる。そういう驚異的なヨットなのです。それにジブはセルフタッキ
ングですから、これまたタッキングは簡単です。シングルでその帆走を楽しみたい方には
最高のヨットだといえるでしょう。

でも、これもキャビンはシンプルです。でも、それで良いんじゃないでしょうか。純粋にス
ポーツとして考えた場合、ちょっとした寛ぎの空間があれば、充分だと思います。今から
はこういうコンセプトが明確なヨットの方が楽しめると思いますね。もちろん、みんなが乗る
ようにはならないでしょう。でも、これが良いと思った方、割り切りができた方には最高の
ヨットになる事間違い無しでしょう。

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