第九十五話 清水

どのヨットも清水タンクを持っていますが、タンク、ポンプ、配管等はきちんと把握
しておいた方が良いと思います。タンクの位置ぐらいは誰でも知っていると思い
ますが、ポンプがどこにあって、配管はどこを通って、そしてギャレーやシャワー
に来ているか、こんな事は配管を目で見て追っていけばすぐにわかります。
それにヨットによっては温水器を持っているヨットもありますので、その配管も
確認しておく。

船内に水が溜まっていた場合。それが海水か清水かをまず確認します。舐めて
みて下さい。海水なら、それがどこから入った海水であるのかの確認が必要で
す。重要な事です。海には無尽蔵な海水があるわけですから、漏れも箇所によ
っては最悪沈むという事も考えられるのですから。スタンチューブの、一滴、一滴
のわずかな漏れ、こんな事ぐらいたいした事無いと思いがちですが、これが馬鹿
にできません。昔ですが、納艇したヨットのビルジに海水が溜まるという事で、スタ
ンチューブがほんのわずか漏れていました。オーナーはしかし、それだけの原因
でこんなに溜まるはずが無いと主張され、わざわざ見に行った事があります。
結果、スタンチューブが原因でした。ほんのしずくが、数日たつとかなりの量にな
る。オーナーもびっくりされていましたが、一滴が24時間漏れて、数日たつとすごい
量になるもんです。

溜まった水が清水なら、そう心配は無い。沈むような事にはならない。雨かタンクの
水漏れです。雨はマストから入れます。そうでなければ清水タンク。そのラインを
点検していけばつきとめる事ができる。

清水ポンプはスイッチONで作動し、圧が高まったら自動停止します。これはポンプ
の他、アキュムレータータンクというのがあり、その中で圧を溜める。一定圧に達した
時、センサーが感知してポンプを停止、圧が下がったら再びポンプを作動させます。
ですから、ポンプのスイッチは入れたままでも良いわけです。時々、ポンプがいくら
待っても作動を停止しない場合があります。これはタンクに水が無いか、どこかに水
漏れがある場合です。

清水に関しては、電動ポンプよりマニュアルのフットポンプの方が重宝すると思って
います。いちいちバッテリースイッチを入れる必要も無いし、実際使う時はたいした
量を使うわけでは無い。それより、すぐにレバーを押せば水が出る方がいいなと思って
います。どうしてもシャワーなどを使いたい場合は電動ポンプが良いですが。まあ、電動
ポンプは個人的には無くても良いぐらいに思っています。

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