第四十六話 とにかく気軽

シングルだろうがダブルだろうが、5〜6人いようが、とにかく気軽に出せて
セーリングを堪能できる状態を作るのが最も大切です。そこに到達しなけ
ればヨットでは遊べない。堪能する事はできません。その為、サイズを決め
アコモデーションを選び、リグを決める。その選択を間違うと、面白いという
域に達する前に、あきらめなければならなくなる。そういう面白い域がある
という事も知らないままで、去らねばならない。せっかくはじめたヨットなら、
面白いという域にまで行ったほうが良い。そしてそこまで行けば、やめる
ような事は無いでしょう。ほったらかし、という事も無くなるでしょう。

欧米人は回りに大きなヨットがたくさんあるもんですから、サイズに対する
感覚が違う。ちょっと前になりますが、オーストラリアから来た人、37フィート
でしたが、何とエンジンが無かった。すごいもんです。回りが50や60がゴロ
ゴロあるなら、自分のヨットが小さく見える。小さく見えるので、心理的圧迫
感が無い。だから、気楽に出せるのかもしれません。まあ、マリーナ事情も
違うので、一概には言えませんが、心理面の作用は実に大きいと思います。
体力は機械である程度カバーできますが、心理面はそうは行きません。

気楽という心理がもたらす物は大きい。気楽に出せるから、ちょっとあいた
わずかな時間でも出せる。出す事が億劫ではありませんので、気楽に出せる
状態をもっと作る。気楽に出せるから、セーリングのいろんな場面を数多く
体験できる。この体験こそが全てです。

シングルで気楽に出せる物、ダブルなら気楽に出せる人、まあ、ダブルなら
たいてのヨットはだせます。ですから、ダブルか、シングルか、これさえきちん
としておけば、選択には間違いが少なくなる。

最近、新艇が進水しました。残念ながら当社ではありませんが、そのヨットの
大きな事、後ろから見たら50ぐらいかと思わせる。でも、横から見るとぐっと
サイズは小さくなる。フリーボードの高い、大きなボリュームがあります。
でも、マストはサイズの割りに低く、。。。。考えてしまう。

一歩進んだセーリングをしましょう。セール上げたら、タックするまでそのまま
というのでは無く、いろいろ扱ってみましょう。この1歩がジャイアントステップ
になるのです。どんどん勉強して知りましょう。勉強が面白いのです。知る事
が喜びなのです。それで体験がそれを実に変えてくれます。そこが面白いの
です。

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