第八十三話 電動ウィンチハンドル

ある男、テニス肘でウィンチハンドルを思うように回せなくなった。それでも何とかセーリング
したいという事で考え出したのが、この電動ウィンチハンドルを考案するきっかけだったそう
です。完成させて1年半、自分で試し、多分、その間に改良などもあったでしょう。それで、
ついに完成し、2004年のボートショーに出品。これまでに250台が売れたそうです。

メインセールを上げるにまずウィンチを使う。ジブシートを巻くのにウィンチを使う。ヨットにとっ
てウィンチは欠かせないものですが、大きなヨットになると、ウィンチも大きいとはいえ、かなり
の力が要る。強風になると、かなりの力を出さないと、シートが巻けない。それで、ついつい、
トリミングを怠り、もういいか、と思ってしまう。

電動ウィンチはあこがれですが、特にでかいヨットにはありがたい。でも、これ1台で車買える
ぐらいの価格は軽くしてしまう。それで、電動ウィンチハンドルという考え方です。これはバッテ
リーがついており、電源ケーブルが不要である事、と言う事は、どこにでももって行って、全て
のウィンチを電動扱いできる。バッテリーはフル充電で、通常2日ぐらいのセーリングができる
そうだ。100Vの充電器もあれば、12Vの充電器もある。これに予備のバッテリーを1個持って
いれば十分だろう。ケーブルが無いので、邪魔にならないし、どうです?興味
あります。

通常のウィンチハンドルを手で回す場合のパワーは最大で約20kgぐらいのパワーだそうだ。この
電動ウィンチハンドルは25Kぐらいのパワー、ウィンチの番手が44番だと44 x 25で、ウィンチが
引く力は1,100KGだそうだ。パワーがマックスになってきたら、電動ウィンチの回転が遅くなっ
てくる。そういう仕組みだそうです。

以前に、ジェネカーのファーラーを紹介しましたが、現実はジェネカーをどうこう言う前に、ジブと
メインだけでも、まずは皆がセーリングする事が第一だと感じました。セーリングしない人にとって
どんなに便利だろうが、ジェネカーは必要無い。そこで、今度はジブとメインだけで気軽にセーリン
グする助けとして、この電動ウィンチハンドルには興味があります。これで、一人でも多く、セーリ
ングに出てみようかと思う方が出てくれば、おおいに結構ではないかなと思う次第です。

見た目はちょっと電動ドリルのような感じですが。片手で持って、スイッチ入れれば回ってくれる。
従来からケーブル付きの12Vの電動ウィンチハンドルはありました。でも、これ、ケーブルが邪魔
じゃないかなと思いますし、それにでかい。価格も30万ぐらいするし、電源コンセントが要る。

まだ、こういう電動ウィンチハンドルを使っている人見た事無いのですが、実際、使った事あるかた
がおられれば、教えていただけないかと思います。

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