第九十一話 極端過ぎません?


      

さて、前話でハイスピードヨットの話をしました。SADR31.4はかなり速い。しかし、普通、そこまで必要だろうか?では、違う話をします。今時のクルージング艇のキャビンはかなりでかい。でも、普通、そこまで必要だろうか?どちらも極端,一般的では無いのではないでしょうか?

ハイスピードを求める方にとって31.4は魅力的に映るだろうし、一方、ヨットを別荘にでもしようと考える人にとっては、そのでかいキャビンは魅力的に思えるはずです。でも、どちらも、一般的な使い方としては極端なのではとも言えます。普通、そこまで必要だろうか?

上の写真は33フィートデイセーラー、フライヤー33です。このシンプルなキャビン、でも、普通の沿岸クルージングなら、これで充分ではないでしょうか?別荘としないのなら、各人が個室を持つ必要性は、それこそロングの旅におけるプライバシーの問題ですが、そこまで必要でしょうか?普通はこれで旅としては充分ではないでしょうか?

普通というのは曖昧な言い方ですが、セーリングスピードにしても、キャビンにしても、まあ、一般的な使い方、平均的な使い方、を勝手に想像してみれば、充分だろうと思えるのです。極端を求めるのをマニアックとか言いますが、超ハイスピードはマニアック、今時のでっかいキャビンもマニアックとも見る事ができます。もちろん、、マニアックがいけないのでは無く、ただ、極端だという話です。もちろん、極端でも良いんです、楽しめるのなら。でも、やっぱり普通じゃ無い。

よって、普通、平均的というのをデイセーラーとしても良いのでは?と最近思ってきました。そのパフォーマンスやキャビンの広さという事を含めてです。それを基準にもっと速いヨットが良いとか、もっとでかいキャビンが良いとか、必要と思う人が選べば良い。そういう視点で見ますと、今のクルージング艇の動きの鈍さが理解できます。あの広さは普通じゃ無い。気軽さが無い。

もっと気軽にセーリングしたり、近所にクルージングしたり、そういう事が普通に行われる方が良いと思うのですが、如何でしょう?


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