第七十三話 イーグル54 舵社掲載


      

アメリカの雑誌”SAIL"により、オランダのイーグル54が2018年ベストボートの候補に挙がったという事で、来年、舵社に掲載される事になりました。このサイズでもちろんデイセーラーコンセプト、操作はシングルハンドを可能にしたハイテクモデルです。

船体はフォームコアのエポキシ樹脂FRPサンドイッチ、カーボンによる補強がなされ、標準仕様で充実した装備となっています。カーボンマスト、メインセールファーリングシステム(ブームファーラー)、電動ウィンチ、油圧バックステー&バング、電動ウィンドラス、リトラクタブルバウスラスター、チークデッキ等々、キールはT型バルブキール、特筆すべきは、このサイズで排水量は何と9,000kg(バラスト3,705kg)と軽量で、セール面積は129.3u。それで、セール面積/排水量比は30.4にも達します。だから、速くて、軽風にも走る。さらに、このセール面積とバラスト重量なら、かなり安定性も高い。これなんかは、大型艇ならではのメリットです。

このヨットをシングルで操作できます。慣れにも寄るかもしれませんが、少なくとも、もう一人居れば楽々でしょう。このサイズぐらいになりますと、人力ではどうにもなりませんから、全て電動/油圧で、逆に力は不要になりますね。中途半端なサイズより、逆に楽かもしれません。

でかいデイセーラーのメリットは、クルージング艇のでかいのとはわけが違います。SADR30にも及ぶ高いセーリング性能をシングルかダブルで、しかも楽に味わえる事です。もちろん、レーサーなら、もっと速いかもしれませんが、大人数必要だし、安定性も違うし、このパフォーマンスで充分過ぎるぐらいではないかと思います。これも自由自在を楽しみますね。それがデイセーラーですから。

クルージングにだって、ロングだって行けます。でも、このヨットの最大の楽しみは、セールフィーリングです。次元の異なる感覚、このサイズのデイセーラーは、また違いますね。残念ながら、日本にはまだ入っておりませんが、イーグル44は既に進水しています。もちろん、オーナーはシングルで楽しまれています。

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