第六十六話 デザイン


      

ヨットデザインは、見た目の美しさも重要なのですが、その他、帆走性能だけでは無く、そのヨットの遊び方、使い方を示している。特に、デイセーラーは様々な帆走性能が共存するだけに、帆走性能だけで語る事はできません。今回は、デザイン段階ではありますが、ふたつのデザインを取り上げました。

上の写真は、名付けて、スーパーデイセーラーだそうです。36フィート。従来のデザインにご覧の通りハードトップがあり、前面と左右にはガラスが入って風防になる。一見して感じた事は、コクピットの居住性を高めている様に見える。でも、このデザインならティラーよりホィールかな、ウィンチの位置もコクピット最後部では使いにくそうに見える。コクピットに座る人達の邪魔にならない様にという配慮だろうか?でも、それならやはりラットの方が良いのでは?

従来のデイセーラーに、もう少しクルージング性と言いますか、居住性を考慮している様です。個室のトイレ、ギャレーもあって、でも、SADRは22.7あって、かなりのスポーティー感も持っている。快適なピクニック、高い帆走性能、そしてクルージング性の向上、そういう意図がある様に思えます。そういう意味でスーパーデイセーラーなのでしょうか?

さて、もうひとつ取りあげます。マンタ31.これもコクピットの居住性を考慮し、セールを上げる段階から、左右のウィンチで全てをこなせる。つまり、操船時、ゲストを邪魔する事は無い。
  従来のデイセーラーでも、ゲスト
  用のシートは確保されているが、
  それをもっと快適にしよう、さら
  に、個室のトイレとギャレーも確
  保して、近場のクルージングも拡
  充しよう、それでいて、本来のデ
  イセーラーとしての帆走性能も
  確保する。まあ、欲張りです。

  これも今後のデイセーラーのバリ
  エーションの拡充になると思われ
  ます。ただ、どちらも、重視してい
  るのはキャビンでは無く、コクピッ
  トです。そして、帆走性能という事
  です。

  近場でどう楽しむか?それがデイ
  セーラーのテーマだと思います。
  今後も、いろんなデザインが生ま
  れて来るでしょう。近場が面白い

なら、誰もが、気軽にヨットを楽しめます。遠くも良いけど、近場はもっと面白くしないといけません。高度に発展し、便利になる世の中、我々はますます忙しくなります。決して暇にはなりません。それが解っているから、欧米ではデイセーラーが広がっている。

次へ       目次へ