第六十一話 クラシックは永遠なり


      

モダンデザインはカッコ良い、一方、クラシックデザインは美しい
ちょっと表現が違って来ます。モダンには機能美みたいなものを感じますし、クラシックには、味わい深さを感じます。美しいヨットは、それだけでも充分。水線長が長いとか短いとか、そんな事はどうでも良くなってくる。それ以上の魅力です。

スピードではモダンデザインには敵いません。しかし、優雅な佇まいは、海を走るその姿だけで充分絵になります。それは現代においても全然衰えません。上の写真は多分、木造にウッドマスト、それが現代の建造では、FRPになって、カーボンマストになって、メインファーラーになって、フィンキールになって、スラスターが付いて・・・でも、その美しさは共通です。オーバーハングが若干短くはなっているかな。



それを、もっとパフォーマンスを上げると、こうなります。同じクラシックでも、ちょっと違って来ますね。クラシックなラインにも、少し鋭さが出てきます。それにちょっと現代風な感じもありますね。


それをサイズダウンするとこうなって


さらに、そのサイズを小さくしたら、下の写真の通り。


さらに、さらにサイズダウンしたら、下の写真の様になった。ここに至るとさすがにキャビンはありませんが。キャビンの為に、前後のオーバーハングを小さくしたら、このヨットの美しさが削がれるのかもしれません。


世界中にクラシックファンは多い。スピードだけが全てでは無いという証拠です。現代のクラシックデザインは、性能的にも、操作性においても、昔とは雲泥の差です。でも、その美しさは変わらない。1930年代や40年代頃に建造されたたくさんのヨットがレストアされ、今でも美しい姿を見せています。凄いですね。時代を超えたデザインという事でしょう。父から息子へ、孫へと受け継がれる事もある様です。流石です。

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