第四十三話 デイセーラースタイル


      

デイセーラーはヨットが全てだとは思っていない。他の遊びもやります。ゴルフ、スキー、スポーツジムに通ったり、旅行や温泉にも行くだろうし、レストランで食事、お買い物、映画、テニス、野球やサッカーの観戦?他にも一杯やる事はある。だから、ヨットに全精力を使う事は無い。でも、ヨットは海と言うエキゾチックなフィールド。特別なフィーリングがある。

シングルで真剣に走ってみたり、或いは、誰かを誘ってみたり。どっちにしたって気軽にできる事が基本条件になる。大航海なんて考えてない。好きな時に乗りたいだけです。たまに泊まっても良いが、連泊なんてしない。だから、シャワー要らない。温水要らない。冷蔵庫要らない。清水はペットボトルで良いし、カセットコンロを持ち込めば充分だ。あれば便利と考える人は多いが、無ければスッキリするし、そのスッキリ感が気持ち良い。欲しいものは、小綺麗で、シンプルなキャビンとトイレぐらいあれば良いか。その代わり、セーリング関係は充実したい。それが本来の目的なんだから。

エンジンはセールドライブにフォールディングペラ、舵はちょっと迷うな〜。ティラーも良いし。計器は風向風速計とスピード計に、デプスがあれば充分。オートパイロットも欲しい。シングルの時に、ちょっと舵から離れる時、あれば助かる。セールはジブとメインの他に、ファーリング方式のジェネカーかコードゼロ。

桟橋側にフェンダーを設置して、ヨット側にフェンダーは設置しないから、係船ロープを外してそのまま出るから、帰って来た時にも、フェンダーの用意が要らないし、そのまま、桟橋に残した係船ロープを取れば良い。シングルの時は、ミッドシップクリートに1本のロープをかけて桟橋に降りる。それを桟橋側に引き付ければ、前後とも流されない。

自分のセーリングに合うヨットの性能を吟味する。面白いのはこれからだ。このヨットをどう走らせるか。それは自分のヨットの性能を、机上では無く、実践によって、肌身に感じて行く。そして、自由自在を手に入れて行く。これは時間のクオリティーを上げる事を意味する。遊びとは、息抜きという意味合いもあるが、その時間のクオリティーがもたらす味わいは、贅沢そのものだ。時間のクオリティーは、何も遊びに限るわけでは無いが、遊びにおいては、決して結果だけが全てでは無い処に、その本質がある。ああして、こうしてと、模索していくプロセスの面白さを味わっていく。それがあるから、結果は一層面白くなる。

デイセーラースタイルは、真剣に走っても、気軽に関われる事がポイントだと思います。

次へ       目次へ