第21話 進化論

世の中は常に進化しているのではないかと思います。動物だけではなく、世の中全てです。
先日、ある仏教のお坊さんと知り合う事があり、お話をお伺いする事ができました。その話
はとても興味深く、納得した次第です。

人がいくら努力しても、なるものは成る。成らないものは成らない。成るか、成らないかは縁
です。そういう話でした。人のできる事には限界があり、原因と結果、そしてそこにはじめて
縁というものがあって、成る。だから、自分で成した事が全て自分ひとりの力と思うのは大間
違いだそうです。仕事をしていて、いくら努力してもどうにもならない事もあれば、たいして、何
もしていない時でも成る事があります。また、偶然にも何かが起こってうまくいく事もあれば
行かない事もある。これを偶然と片付けてしまえば、そうかもしれません。でも、結果、成らな
かった事が、そこから何かを学び、結果、進歩していく。そういう気がします。事が成らないのは
努力が足りないのでは無く、それに相応しく自分が成っていないのではないかと思うのです。

ある事が起こった時、理由は無いのですが、これはできると思う事があります。疑いも無くです。
そういう時は、何が起こっても成ると思っている。それで、結果ちゃんと成ります。努力は必要で
すが、ちゃんと成る。まるで、最初から解っていたようにです。自分でも不思議に思うのですが、
そういう時がある。それで、どうかなと疑いがある時は、それなりにうまく行かない事情が持ち
上がる。でも、そのうまく行かない事を経験して、そこから何かを掴めば、時が経って、その時の
事でもっとうまく行ったという事がある。できる、できないは理由が無いのですから、意識的に
できると思うように務めてめ駄目なんですね。自然と思う事です。

私の理解が正しいかどうかはわかりませんが、お坊さんの話を聞きながら、自分の体験と照らし
て、そんなことを考えていました。それで、自分なりに納得したわけです。結果、トータルで考えて
みると、全ては進化しているのではないかと考えたわけです。一時的な悪いことも長い目で見れば
進化のひとつではないかと考えたわけです。そうすると、世の中は全て進化の途上にあるという結
論です。仏教の結論ではありませんので。

そう思えば気楽なものです。今、ヨットが動かないと言っていますが、これも将来にはうまく行く事に
なる。今、それを心配しても仕方が無い。今、不景気でも、この事が未来の進化をもたらす。結局
は良い事づくめです。将来、みんなが気軽にヨットを楽しむようになるでしょう。そう思っています。
そう思って、今できる事をします。だから、みなさんも、今乗れるように、今の環境でヨットを最も楽し
める方法を考えて実行したら良いと思います。未来は必ず良い方向に向かう。気軽に、御気楽に、
将来、乗れるかどうか解らない大きなヨットより、今乗れる小さなヨットでも良いんじゃないかと思う
のです。そうやって、自分が大きなヨットに乗れる器になれば、自然と乗れるようになる。もちろん、
大きなヨット、小さなヨット、どちらが良いというわけでは無い。常に、自分という器に相応しい事が
起こっているのではないかと思います。

以前に、世界は私の為にあると書いた事があります。つまり、世界は私が解釈した通りであり、その
解釈が自分の器でしょう。その器に相応しい事が起こり、それが縁であり、それをまた自分が解釈し、
そうやって、進化しているのではないかと思います。

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