第二十五話 自由度



      


自由度が高ければ高い程、いろんな楽しみ方ができます。さらに、シングルハンドで自由自在になれば、それこそ最高の自由を手にする事ができます。但し、この時のシングルハンドは設計上、理屈的に可能というのでは無く、それを容易にする為にはいろんな要素が必要になってくる。ただ手が届けば良いというわけじゃない。オートパイロットを使ってやるのも違う。

手が届くのは当然ですが、その時の力加減もありますし、セーリング中の高い安定性も必要になります。そのうえで、セーリングのドライブ感も面白くなくてはならない。クルーがひとり居るだけでどうにでもなる事を全部自分ひとりでやります。だからこそ面白さもあり、それができるからこそ、自由度が高いわけです。ひとりでできるなら、ふたりでも、三人でもできます。その逆は無理。

デイセーラーがシングルハンド仕様なのはそういう理由があるからです。海というフィールドで、自由自在にスイスイ走れます。フリーボードが低く海面の近さは気分は上々、スピード感も増す。船体の硬さからセーリングに滑らかさを感じ、重いバラストには安定性を感じます。そこにスイスイなら気分は悪かろうはずがありません。

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