第八十八話 方向性


      
楽しむ方向性を決める。レースなのか、旅なのか、セーリングなのか、別荘なのか? 何を最も体験したいのか?それさえ決めてしまえば、全てはそこを中心に回る事になります。決めたからそれ以外をしないという意味では無く、中心がそこになる。その中心を最も楽しめるようになる。気持ち的にも、中心を重視するし、そうすると、それ以外はもっとゆったりと楽しめるようになる。

これが曖昧ですと、どれもが曖昧な楽しみ方になるかもしれません。中途半端かもしれません。楽しんじゃいるけど何かいまいちみたいな。それが中心となる核さえ思いっ切り楽しめているなら、他の事も楽しめると思います。

それで、デイセーリングを核としたら、セーリングを思いっきり楽しみます。繊細になって鋭い感覚で楽しみます。そうしたら、クルージングの時、キャビンは狭いとか、エアコン無いとか、温水出ないとか、そういう事が些細な事に思えてきます。無いなら無い様に対応して、それを楽しむ事さえできる。それは旅を中心にしたり、レースを中心にしたりしても同じではないかと思います。2シーターのスポーツカーを買って、それを大いに楽しんでいる時、仮に、5人居て、全員が乗れないからと言って後悔するでしょうか? だったらその時は2台で行くか、他の人の乗用車で行けば済む話です。既に、スポーツカーの楽しさを知っている人にとっては、たいした問題じゃないんです。スポーツカーの味わいを手放したくないんです。

ですから、自分の方向性を決めて、それを思いっきり楽しみましょう。それさえあれば、全てを楽しむ事ができると思います。

        

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