第四十八話 アルコナヨットの哲学



      
昨年、アルコナヨット(スウェーデン)はアルコナ465をデビューさせましたが、船体はカーボン製です。パワフルなセールに軽い排水量を目指し、サイズメリットも充分活かされ、SADRは30.5とかなり高いパフォーマンスです。 排水量が軽い方がセーリングとしては速いし、その動作においても機敏になります。レーサーでも無いのに、そこ迄やるか?

そして、一方クルージングとしては、内装の充実とできるだけモールドによる成型は避け、木をたくさん使って、船体に積層しています。これによって船体剛性が高まる事は言うまでも有りません。ちなみに、内装木材はマホガニーで、中でもカヤマホガニーという種類を使っており、造船に対してはベストな品質だそうです。私は、こういう考え方に賛同し、唯一、デイセーラー以外の取扱い艇としています。クルージングの時は奥さんと二人で充分に操船ができる。もちろん、建造はバキュームインフュージョン工法です。

一般的なクルージングにおいて、エンジン使う事が多いわけですが、普段使いのデイセーリングでは、やはりパフォーマンスが高い方が面白いと思います。さらに、低い重心と高い船体剛性は、セーリングにはもちろん良いですし、、クルージングにおいても非常に安心感があります。

ビデオに出てくる方、夏は西インド諸島に行ってきたとか。外洋性の高いヨットでもあります。結局、船体の強さとかパワフルなセールというのは、いろんな面で威力を発揮できる。どうしても、長期のクルージングを求められるのであれば、やはりこういうハイパフォーマンスの艇が良いと思っています。日常も楽しめますから。クルージング艇だってハイパフォーマンスの方が面白いと思います。

                      
         

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